使用済み核燃料に課税、15年で税収2.5倍 施設立地5市町の独自税
使用済み核燃料に課税 15年で2.5倍 5市町が独自税

原発の発電に使用した後の核燃料が、各地の原発や貯蔵施設に蓄積されている。この「使用済み核燃料」に対し、原発や貯蔵施設が立地する全国5市町が独自に課税しており、2025年度の税収見通しは合計で約24億円に達することが明らかになった。東京電力福島第一原発事故直後の2011年度から比較すると、15年間で約2.5倍に膨れ上がっている。

核燃料サイクル政策の遅れと税収増加

国は使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムなどを取り出して再び原発で燃やす「核燃料サイクル政策」を推進している。しかし、再処理を担う青森県六ケ所村の工場は、着工から30年以上が経過しても完成に至っていない。その間、蓄積され続ける使用済み核燃料に対して、立地自治体が課税を行い、様々な事業の財源として活用が進んでいる。

課税の背景と仕組み

原発の立地自治体などには、1974年に制定された電源三法に基づき、国から交付金や補助金が支払われている。さらに、使用済み核燃料税は、原発を運営する電力会社などが自治体に納税する仕組みで、その原資は電気料金に含まれている。この税収は、自治体にとって安定した財源となっている。

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課税自治体の拡大

現在課税を行っているのは、東京電力福島第一原発がある福島県大熊町と双葉町、東北電力女川原発がある宮城県女川町、日本原子力発電東海第二原発がある茨城県東海村、そして使用済み核燃料の中間貯蔵施設がある青森県むつ市の5市町である。これらの自治体は、税収を地域のインフラ整備や福祉、教育などに充てている。

使用済み核燃料税の導入は、2011年の福島第一原発事故後、原発の安全性に対する懸念が高まる中で、立地自治体が新たな財源を確保する動きとして広がった。特に、再処理工場の完成の遅れにより、使用済み核燃料の貯蔵が長期化する見通しであることから、課税の重要性は今後さらに増すとみられる。

一方で、課税が電力会社の負担増につながり、電気料金の上昇を招く可能性も指摘されている。また、使用済み核燃料の最終処分地が決まっていない中で、課税が恒久化する懸念もある。自治体と国、電力会社の間で、今後の核燃料サイクル政策の行方と税制のあり方をめぐる議論が続きそうだ。

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