宇都宮ベンチャーBULL、宇宙ごみ防止装置「HORN」をH3ロケットで打ち上げへ
宇都宮ベンチャーBULL、宇宙ごみ防止装置をH3で打ち上げ

栃木県宇都宮市に本社を置く宇宙関連事業のベンチャー企業BULL(ブル)が開発した装置が、6月10日にH3ロケット6号機で打ち上げられる予定だ。スペースデブリ(宇宙ごみ)の発生を防ぐこの装置は、宇宙空間での実証実験を経て、本格的な事業展開を目指す。

装置の仕組みと利点

同社が開発したデブリ化防止装置「HORN(ホーン)」は、役割を終えたロケットや衛星関連部品に取り付けられ、それらが宇宙ごみとして長期間残留するのを防ぐ。装置から帆のような構造物を展開し、極めて薄い大気の抵抗を利用して減速させる。これにより、軌道からの離脱を促進し、大気圏で燃焼させる。従来は数十年にわたり宇宙に残っていた部品も、この装置を使えば5年以内に軌道を離脱できるという。後から除去装置を打ち上げるよりも低コストで済む点が大きな利点だ。

開発の経緯

同社は2022年11月、宇都宮市にキャンパスを持つ帝京大学発のベンチャーとして創業した。2023年9月には文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択され、技術開発を加速させた。机上での検討をクリアし、H3ロケットの相乗り事業者に選ばれたが、6号機は2024年7月のエンジン燃焼試験の不具合により打ち上げが延期されていた。

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実証実験への期待

待望の軌道上実証実験を前に、同社の宇藤恭士社長(39)は「欧米を中心に装置への関心を示す企業は多いが、本格的な搭載に向けては軌道上での実証が不可欠だった。確実に成功させ、商談を加速させたい」と意気込みを語る。

国際的な注目と事業展開

同社の事業は2024~2025年度、宇都宮市の宇宙関連産業推進施策における企業版ふるさと納税の対象に選ばれ、延べ28社から総額4160万円の寄付を受けた。欧州連合(EU)では宇宙環境の持続可能性を目的とした規制法案が議論されており、打ち上げ計画に宇宙ごみ削減策を求める意見も出ている。こうした動きを受け、国際的な注目度も高い。同社はフランス、イタリア、インドのロケットや衛星開発企業と提携し、グローバル展開を見据えてパリに子会社を設立している。

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