警視庁は13日、人工知能(AI)を使って偽のニュース記事を生成し、インターネット上に公開することで株価を不正に操作したとして、金融商品取引法違反(風説の流布)の疑いで、東京都内に住む無職の男(42)を逮捕した。AIを用いた風説の流布事件の摘発は全国で初めてとみられる。
偽の記事で株価つり上げ
逮捕された男は、2025年10月ごろ、生成AIを利用して「大手電機メーカーA社が次世代電池を開発」などと偽のニュースを作成。複数のニュースサイトを装ったブログに投稿し、あたかも真実の報道であるかのように見せかけた。この偽情報が拡散された結果、A社の株価は一時的に急騰。男は事前に購入していた同社の株式を高値で売却し、約500万円の利益を得た疑いが持たれている。
SNSで拡散、投資家が被害
偽の記事はSNSで瞬く間に拡散され、多くの投資家が誤った情報に基づいて株式を購入。株価が急落した後、損失を被る被害が相次いだ。警視庁は、男がAIを使って複数の偽記事を生成し、組織的に株価操作を行っていたとみて、詳しい実態を調べている。
AI悪用の新たな手口
今回の事件は、生成AIの進化に伴い、巧妙な偽情報が簡単に作成できるようになったことを浮き彫りにした。専門家は「AIを使えば、一見信頼できる記事を短時間で大量に生成できる。投資家は情報の真偽を慎重に見極める必要がある」と警鐘を鳴らす。
警視庁は、AIを悪用した金融犯罪の取り締まりを強化する方針で、他の関連事件の有無についても捜査を進めている。



