ビリヤードの軌道を幾何学で解明 京大・入江准教授が数学の魅力語る
ビリヤード軌道を幾何学で解明 京大研究者が数学の魅力語る

ビリヤードの動きを数学で読み解く 京大研究者が幾何学の魅力を語る

京都大学数理解析研究所の入江慶准教授(38)が、ビリヤードの球の軌道を幾何学的に研究する独自の取り組みについて明らかにした。図形や空間を扱う幾何学、特に「シンプレクティック幾何学」という分野を専門とする入江准教授は、天体の動きやボールの運動など物理学とも深く関連する研究を進めている。

小学3年生で数学に魅了 国際大会にも出場

入江准教授が数学に興味を持ったのは、小学3年生の頃に数や形の図鑑を読んだことがきっかけだった。川で分断された四つの土地に架かる七つの橋を一度ずつ渡る経路は存在するかという問題などに触れ、数学の面白さに目覚めたという。その後、中学・高校時代には数学オリンピックに挑戦し、国際大会に2度出場するなど才能を開花させた。

大学生になってからも友人らと数学のセミナーや勉強会を重ね、大学3年時に聴講したある教授の講演が現在の研究テーマを選ぶ契機となった。アメリカに研究員として滞在した経験もあり、海外の研究者との交流から予想外の成果を得たこともあると振り返る。

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数学者の仕事は定理の証明だけではない

入江准教授は、数学オリンピックのように与えられた問題を解く能力は重要だが、数学者にとって必須の素養ではないと指摘する。問題解決能力が高くても、それを生かせるテーマに出会えるかが重要だと語る。数学者の仕事は第一に定理を証明することだが、その定理を使って何ができるか、どんな発展が生まれるかを考えることも大切だと強調した。

また、他者と議論することで得られる気づきも多く、孤独に問題に挑むだけが数学者ではないと述べている。研究者同士の交流から新たな視点が生まれることも少なくないという。

未解決問題も紹介 数学の世界への誘い

今回のシンポジウムでは、未解決問題も紹介する予定だという。入江准教授は「数学の世界に興味関心を持ってもらえればうれしい」と語り、より多くの人に数学の魅力を伝えたい考えを示した。

入江准教授は東京都府中市出身で、筑波大学付属駒場中学・高校から東京大学に進学。京都大学大学院理学研究科で博士号を取得後、東京大学数理科学研究科准教授を経て、2021年から現職に就いている。現在はビリヤードの球を突いた時に同じ場所に戻ってくる軌道がどれくらいあるかを、幾何学の視点で研究する日々を送っている。

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