シロイルカの神秘的な輪を再現、ポリテク学生が装置を開発
島根県立しまね海洋館アクアス(浜田市)で人気を集めるシロイルカのパフォーマンス。その中でも特に注目されるのが、水中で空気の輪をつくる「バブルリング」と「マジックリング」です。この魅力的な現象を再現する装置を、中国職業能力開発大学校島根校(ポリテクカレッジ島根、江津市)の学生5人が製作しました。装置は2026年4月中旬まで、アクアスの2階に設置され、来館者が実際に操作しながらバブルリングの仕組みを学ぶことができるようになります。
連携協定から生まれた共同プロジェクト
アクアスと同校は2025年1月、学生の技術を活用して生物の学びを深める取り組みなどを目的とした連携協定を締結しました。今回の装置開発は、アクアス側からの提案を受けて始まったもので、学生たちは卒業研究の一環として2025年4月から製作に取り組んできました。このプロジェクトは、実践的な技術教育と地域貢献を結びつけた好事例として注目されています。
バブルリングとマジックリングの違いを再現
シロイルカが作り出すバブルリングは、水と空気を一緒に吹き出して形成される輪です。一方、マジックリングは、目に見えない水の輪を作り、そこに鼻を近づけて空気を注入することで生まれます。学生たちは、これらの微妙な違いを忠実に再現するために、装置の設計に工夫を凝らしました。
装置は、ボタンを押すと、水を張ったアクリル水槽(幅1.4メートル、奥行き40センチ、高さ50センチ)の中にバブルリングとマジックリングが吹き出される仕組みです。きれいな輪を安定して発生させるため、学生たちは空気の吐き出し口の口径や空気圧などを変えながら、数多くの実験を重ねました。この試行錯誤の過程が、技術的な精度を高める鍵となりました。
装置の設置と学生の思い
2026年3月10日、学生たちはアクアスに装置を搬入し、正常に動作するかどうかを入念に確認しました。学生の一人、安部翔太さん(20)は、「シロイルカのパフォーマンスを見た後に、この装置を体験してもらい、生態などにも興味を持ってほしい」と語っています。この装置を通じて、海洋生物の魅力や科学の面白さをより多くの人に伝えたいという願いが込められています。
アクアスでは、この装置が教育ツールとして活用されることで、来館者、特に子どもたちに科学技術への関心を喚起することが期待されています。ポリテクカレッジ島根の学生たちの創意工夫が、地域の文化と教育に新たな価値を生み出しています。



