光量子コンピューター実用化へ前進 NTT・東大チームが光源高品質化に成功
光量子コンピューター実用化へ前進 光源高品質化成功

光量子コンピューター実用化への道筋が明らかに 光源の高品質化で「射程圏内」に

NTTと東京大学を中心とする共同研究チームが、次世代計算機である光量子コンピューターの基幹技術となる光源の高品質化に成功した。この画期的な成果により、実用的な量子コンピューターの実現が「射程圏内」に入ったと研究者らは強調している。さらに、5年以内に現在の暗号技術の解読も可能になる可能性が示された。

量子ノイズを90%以上圧縮 光源品質の飛躍的向上

研究チームは、デバイス構造と制御システムの両面から改良を加えることで、光源の品質を大幅に向上させることに成功した。具体的な成果として、光源から発生する量子ノイズのレベルを10デシベル圧縮することに成功。これは、光が本来持つ量子的なノイズを90%以上も低減したことを意味する画期的な成果である。

光量子コンピューターは、量子ビットとしての情報を特殊な光に載せて計算を行う方式で、今回の高品質な光源の実現は、計算精度の向上とエラー率の低減に直接つながる重要な進展となった。

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量子コンピューターとは何か 基本原理と多様な方式

量子コンピューターは、ミクロな世界の物理法則である量子力学の原理を応用した次世代の計算機である。従来のコンピューターが「0」か「1」のビットで情報を処理するのに対し、量子コンピューターは「0」と「1」の状態が同時に存在できる量子ビットを基本単位として計算を行う。

量子ビットの実現方法には超電導回路やイオントラップなど様々な方式が存在するが、光量子コンピューターはその中でも特に長距離伝送が可能で、室温動作が実現できるという利点を持つ。今回の研究成果は、この光方式の実用化に向けた最大の課題の一つであった光源品質の問題を解決するものだ。

研究の詳細と今後の展望

この研究成果は、米国科学誌「オプティクス・エクスプレス」に掲載された。研究を率いる東京大学の古澤明教授を中心としたチームは、光源の高品質化によって計算ミスを大幅に減らせるようになり、より複雑な計算が可能になると説明している。

実用的な光量子コンピューターが実現すれば、現在の暗号技術を短時間で解読できる可能性があり、金融取引や国家機密の保護など、社会の基盤となるセキュリティシステムに大きな変革をもたらすと予想される。研究チームは今後5年以内の技術実現を目指して研究を加速させる方針を示している。

専門家からは「量子コンピューターの実用化が現実味を帯びてきたことで、社会インフラへの組み込みを想定した様々なシナリオの検討が必要になる時期が来ている」との指摘も出ている。技術革新がもたらす社会的影響について、産学官連携による議論の深まりが期待される。

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