縄文時代の石棒製作工程を解明する重要資料 飛騨市出土の377点が国重文に指定へ
縄文石棒製作工程の重要資料 飛騨出土品が国重文指定へ

縄文時代の祭祀遺物製作工程を解明する貴重な資料群

国の文化審議会は3月26日、岐阜県飛騨市が所有する「岐阜県島・塩屋金清神社遺跡出土品」を国指定重要文化財(美術工芸品)に指定するよう文部科学大臣に答申した。この出土品は、縄文時代の代表的な祭祀遺物である石棒とその未完成品、さらに製作に使用された工具類など、総数377点から構成されている。

飛騨市の遺跡から発見された石棒の製作工程を示す証拠

出土品は、飛騨市宮川町の宮川沿いに位置する島遺跡と塩屋金清神社遺跡から発掘された。これらの遺跡の近くにある山中では、石棒の原材料となる塩屋石が産出しており、この地域が縄文時代における石棒製作の重要な拠点であったことを示唆している。

特に注目されるのは、完成品だけでなく、製作途中の未完成品や加工用の工具類がまとまって出土している点である。これらは、縄文時代中期から後期・晩期にかけての石棒の製作工程を具体的に知ることができる極めて貴重な考古学的資料となっている。

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養老駅本屋も登録有形文化財に

同時に、文化審議会は岐阜県養老町の「養老駅本屋」を登録有形文化財(建造物)とするよう答申した。この駅舎は1919年(大正8年)に建設され、養老町の玄関口として長年にわたり親しまれてきた歴史的建造物である。

木造平屋建ての入母屋造りで桟瓦葺きの屋根を持ち、待合室や執務室などを備えている。和風を基調としながらも、屋根から突き出したドーマー窓など洋風の要素を加味した独特の外観が特徴的で、2022年には改修工事が実施されている。

岐阜県の文化財指定件数が増加

今回の2件が正式に指定・登録されれば、岐阜県内の国指定重要文化財(美術工芸品)は108件、登録有形文化財(建造物)は288件となる見込みである。これにより、同県の文化財保護の取り組みがさらに充実することになる。

飛騨市の出土品は、縄文時代の精神文化や技術水準を理解する上で不可欠な資料として、今後の考古学研究に大きく貢献することが期待されている。一方、養老駅本屋は地域の歴史的景観を形成する重要な建造物として、その保存と活用が図られることになる。

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