宇都宮大教授が生成AI論文で不正行為 データ取得に禁止されたAI使用、大学は処分検討
宇都宮大教授、生成AI論文で不正 禁止AI使用でデータ取得 (26.02.2026)

宇都宮大学の教授が生成AI論文で不正行為、大学は処分を検討へ

宇都宮大学(栃木県宇都宮市)は、国際学部の倪永茂教授が発表した生成AIに関する学術論文において、虚偽の記載や不適切な研究データの収集といった不正行為が確認されたことを明らかにしました。大学側はこの教授に対して論文の取り下げを勧告するとともに、就業規則に基づく処分を検討しています。

禁止されていた生成AIを使用してデータを取得

問題となった論文は「競技プログラミングにおける生成AIの進展と課題」というタイトルで、倪教授が執筆したものです。大学の調査によると、論文内ではすでに終了したプログラミングコンテストの問題を利用してデータを収集したと記載されていましたが、実際にはコンテストにリアルタイムで参加してデータを収集していたことが判明しました。

さらに深刻なのは、このプログラミングコンテストでは生成AIの使用が規約で明確に禁止されていたにもかかわらず、倪教授はその事実を知りながら、生成AIで作成したプログラムによって解答を行い、不正にデータを取得していた点です。この行為は研究倫理に著しく反するものであり、学術界における信頼を損なう重大な問題として位置づけられています。

大学の対応と今後の処分プロセス

宇都宮大学はこの不正行為を確認した後、迅速に対応を開始しました。具体的な措置として以下の点を実施しています:

  • 倪永茂教授に対して論文の取り下げを正式に勧告
  • 大学内の就業規則に基づく適切な処分を検討
  • 研究倫理委員会による詳細な調査の継続

この問題は昨年9月に大学の公益通報窓口を通じて内部告発があったことをきっかけに発覚しました。大学側は透明性を確保するため、調査結果を公表するとともに、再発防止策の策定にも取り組む方針を示しています。

生成AI研究における倫理的課題が浮き彫りに

今回の事例は、急速に発展する生成AI技術を扱う研究現場において、適切な倫理的枠組みの重要性を改めて示すものとなりました。特に競技プログラミングのような特定のルールが設定されている環境では、研究目的であっても禁止事項を遵守することが不可欠です。

宇都宮大学は教育研究機関としての責任を果たすため、今後も研究倫理の徹底と監査体制の強化に努めるとしています。この問題は学術界全体に対し、AI技術の適正な利用と研究誠実性の維持について考える機会を提供することになりそうです。