青色LED光が骨・筋肉腫瘍の増殖を抑制 徳島大が新治療法研究、切断回避へ道
青色LED光で骨・筋肉腫瘍抑制 徳島大が新治療法研究 (01.04.2026)

青色LED光が骨・筋肉腫瘍の増殖抑制に効果 徳島大学が革新的治療法を研究中

徳島大学大学院整形外科は、青色LEDの光が骨や筋肉に発生する腫瘍(骨・軟部腫瘍)の増殖を抑制する効果を発見し、同種のがん治療への応用を探る研究を進めています。西庄俊彦准教授(48歳、運動機能外科学)は、「特に悪性腫瘍は進行すると腕や脚の切断につながる可能性があります。安全性の高い治療法を確立し、患者の命と『動ける日常』を守りたい」と語っています。

年間発症数が少ない悪性腫瘍「肉腫」の治療課題

悪性の骨・軟部腫瘍は「肉腫」とも呼ばれ、新たな発症数は年間で10万人あたり3~4人と、他のがんに比べて極めて稀です。根治には正常な組織まで広範囲に切除する必要があり、薬物療法の選択肢も限られているのが現状です。西庄准教授らは、「命を失う恐れもあり、助かっても動きづらくなる」という課題から、細菌感染の抑制や皮膚疾患の治療など医療分野で既に活用されている青色LED光の応用を2019年から研究してきました。

実験で確認された青色LED光の抗腫瘍効果

検証実験では、がん細胞株をシャーレで培養した後、シャーレの下から青色LED光を照射し、細胞増殖の抑制や細胞死の誘導を調べました。臨床応用に向けてはマウス実験も実施されています。この光は、学内外の研究で白血病や大腸、膵臓、膀胱など各部位のがん治療において有効性や安全性が報告されており、西庄准教授らは2022年、軟部腫瘍の一種である滑膜肉腫のがん細胞への効果を確認しました。具体的には、48時間の照射で細胞増殖を50~60%に抑制し、72時間照射では7~8割の細胞死を引き起こすことが判明しました。

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骨や軟部の肉腫は約100種類存在し、このうち軟部腫瘍の「脂肪肉腫」「粘液線維肉腫」「未分化多形肉腫」、骨腫瘍の「骨肉腫」でも抑制効果が確認されています。いずれも正常細胞には照射による悪影響がないことも確かめられており、治療の安全性が示唆されています。

臨床応用に向けた今後の研究計画と資金調達

今後は、他の骨・軟部腫瘍での実験を進め、マウスへの照射で抗腫瘍効果をさらに検証する予定です。また、体の奥深くにある患部に青色LED光を照射するため、カテーテルや内視鏡と組み合わせた医療用LED照射装置の開発や、青色LEDを体内に埋め込む方法の研究にも取り組んでいます。

こうした臨床応用に向けた研究の加速を目指し、がん細胞株などの実験資機材購入や実験費に充てるため、5月1日までに500万円を目標として、大学支援機構のクラウドファンディングサイト「おつくる」で寄付を募っています。西庄准教授は、「この研究により、患者の治療選択肢を増やすことができます。命を守りながら、運動機能も温存できる可能性を追求したい」と強調しています。

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