名古屋市は、名古屋城天守閣の木造復元に向けた基本計画案を公表した。2028年度の着工を目指し、伝統技術を活かした復元を進める方針だ。総事業費は約500億円を見込んでおり、市は2023年度中に計画を正式決定する予定。
復元の背景と意義
名古屋城天守閣は、1945年の空襲で焼失した。現在の天守閣は1959年に鉄筋コンクリート造で再建されたが、木造での復元を求める声が長年あった。市は「歴史的価値の高い天守閣を、本来の姿で後世に伝える」と意義を強調する。
基本計画案の概要
計画案では、天守閣の外観は焼失前の姿を再現し、内部は耐震性やバリアフリーに対応した現代的な空間とする。木材は主に国産材を使用し、伝統工法を採用する。また、復元過程を公開し、観光資源としても活用する。
スケジュールと課題
2024年度に詳細設計、2025年度に着工準備、2028年度に本体工事着手を予定。完成は2032年度を見込む。課題は、職人不足や木材調達、観客への安全確保など。市は「技術継承と人材育成にも力を入れる」としている。
地元経済界からは「長期的な観光振興につながる」と期待の声が上がる一方、専門家からは「コスト増や工期遅延のリスク」を指摘する声もある。市は「慎重に進める」としている。



