iPS細胞作製の自動化装置をパナソニックHDが開発 コスト削減と品質安定に期待
パナソニックホールディングス(HD)は4月20日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製工程を自動化する装置を開発し、大阪市内の京都大学iPS細胞研究財団の施設で報道陣に公開しました。これまで熟練者の手作業に大きく依存していた細胞作製プロセスを自動化することで、大幅なコスト低減と品質の安定化が期待されています。
血液からiPS細胞を自動生成 2~3週間で作製可能
パナソニックHDは京都大学iPS細胞研究財団と連携し、血液からiPS細胞を作り出す一連の工程を完全に自動化することに成功しました。この装置は、血液成分を投入するだけで、適切なタイミングで試薬を自動的に添加し、厳密な温度管理も同時に行います。従来は熟練技術者が数週間かけて行っていた作業を、装置が2~3週間で完了させることが可能です。
作製された細胞はその後、培養などの追加工程を経て、再生医療や創薬研究などの治療用途に使用できる状態になります。この自動化技術の導入により、人為的なミスを最小限に抑え、均一な品質の細胞を安定的に供給できる体制が整う見込みです。
2028年度の製品化を目指し実証実験を実施
パナソニックHDは現在、開発した自動化装置の実証実験を進めており、2028年度の製品化を明確な目標として掲げています。医療現場や研究機関での実用化に向けて、装置の信頼性と効率性をさらに高める取り組みが続けられています。
iPS細胞技術は、難病治療や臓器再生など、革新的な医療応用が期待される分野ですが、これまでその作製コストの高さと品質管理の難しさが課題となっていました。今回の自動化装置の開発は、これらの課題を解決する重要な一歩として位置付けられています。
パナソニックHDの担当者は、「この装置が実用化されれば、iPS細胞を用いた治療や研究がより広く普及する基盤が整う」と期待を寄せています。自動化による生産性向上は、再生医療の民主化とアクセシビリティ向上にも貢献すると見られています。



