政府は13日、生成AI(人工知能)の学習段階における著作権侵害問題に対応するため、権利者への報酬支払いを義務付ける方針を固めた。文化庁が年内に法整備を進め、2026年にも関連法案を国会に提出する見通しだ。
報酬支払いの仕組み
新たな制度では、AI開発者が学習データとして著作物を利用する際、権利者に対して適切な報酬を支払うことが義務付けられる。報酬額は、著作物の種類や利用規模に応じて、文化庁が策定するガイドラインに基づき算定される。権利者不明の著作物については、一定の基金を設けて報酬を管理する案も検討されている。
背景と課題
生成AIの急速な普及に伴い、学習データに無断で著作物が使用されるケースが相次いでいる。2023年には、複数の漫画家や写真家がAI開発企業に対し、著作権侵害で訴訟を起こす事態となった。政府は、AI技術の発展と著作権保護のバランスを取る必要があると判断した。
一方で、AI開発企業からは、報酬支払いが技術革新の妨げになるという懸念の声も上がっている。また、学習データの透明性確保や、権利者特定のためのデータベース整備など、実務上の課題も多い。
- 報酬支払いは、AIモデルの学習段階に限定される。生成段階での利用は対象外。
- 権利者が報酬を請求できる期間は、学習後5年間とする案が有力。
- 違反した場合、罰則として最大で売上高の3%の課徴金が科される可能性。
政府は、有識者会議を設置し、詳細な制度設計を進める。また、国際的なルール作りにも積極的に参加し、日本の制度を国際標準とすることを目指す。
今後のスケジュール
文化庁は、2025年度中に有識者会議の報告書を取りまとめ、2026年の通常国会に著作権法改正案を提出する予定だ。改正法の施行は、2027年を目標としている。



