政府は、人工知能(AI)技術の急速な進展に伴い、リスクの程度に応じた規制を導入するため、AI規制法案を今国会に提出する方針を固めた。複数の政府関係者が13日、明らかにした。
法案の概要
法案は、AIの利用に伴うリスクを「高い」「中程度」「低い」の3段階に分類し、それぞれに応じた規制を課す内容となる。リスクが高いと評価されたAIシステムについては、事前の安全性評価や監視義務を課す一方、低リスクのAIには自主的なガイドライン遵守を促す。
規制の対象
対象となるAIシステムは、医療診断や自動運転、採用選考など、人々の生命や権利に重大な影響を与える可能性がある分野に限定される。また、チャットボットやレコメンドエンジンなど、リスクが比較的低いAIは、規制の対象外となる見通しだ。
政府は、この法案を今国会で成立させ、2027年度からの施行を目指す。法案の成立により、日本は欧州連合(EU)のAI規制法に続き、世界で2番目となる包括的なAI規制を導入することになる。
企業への影響
この規制導入により、AIを開発・提供する企業は、自社のAIシステムのリスク評価を義務付けられる可能性がある。特に、高リスクに分類されるAIを扱う企業は、コンプライアンスコストの増加が見込まれる。一方で、規制の明確化により、AI技術の安全な普及が促進されるとの期待もある。
政府は、規制の実施に伴い、企業への支援策も検討している。具体的には、中小企業向けのガイドライン作成や、AI安全性評価のための認証制度の整備などが挙げられる。
国際的な動向
AI規制を巡っては、EUが2024年に世界初の包括的なAI規制法を成立させている。米国も2025年に大統領令でAIの安全性に関する基準を設けるなど、規制強化の動きが加速している。日本政府は、国際的な調和を図りつつ、日本の実情に合った規制を目指すとしている。
与党内からは、規制強化がイノベーションを阻害する可能性を懸念する声も上がっている。政府は、今後の審議の中で、規制のバランスを慎重に調整する方針だ。



