政府は、人工知能(AI)の開発・利用に関する包括的な規制法案を、今国会に提出する方針を固めた。複数の政府関係者が11日、明らかにした。国際競争力の強化と安全性の確保を両立させる内容で、業界団体や専門家の意見を反映したものとなる。
法案の概要
法案は、AIの開発者や提供者に対し、リスク評価や透明性の確保を義務付ける。特に、人の生命や健康、財産に影響を及ぼす可能性の高い「ハイリスクAI」には、より厳格な規制を課す。一方で、研究開発やイノベーションを促進するため、スタートアップ企業への支援策も盛り込む。
国際的な動向
AI規制を巡っては、欧州連合(EU)が世界初の包括的なAI規制法を2024年に成立させた。米国では、連邦レベルでの規制よりも業界自主規制を重視する姿勢を打ち出している。日本は、両者のバランスを取る形で、国際的なルール作りを主導したい考えだ。
今後のスケジュール
政府は、今月中にも法案を閣議決定し、速やかに国会に提出する。与党内では、早ければ今国会での成立を目指す声もあるが、審議時間の確保が課題となる。野党側は、規制の実効性やプライバシー保護の観点から、十分な審議を求める方針だ。
専門家の見解
AI規制に詳しい専門家は「日本が世界に先駆けて包括的な規制法を制定すれば、国際的なAIガバナンスのモデルとなる可能性がある。一方で、過度な規制はイノベーションを阻害する恐れもあるため、バランスが重要だ」と指摘する。
また、産業界からは「規制の内容によっては、海外企業との競争で不利になる懸念がある。政府には、国際的な調和を図りつつ、日本の産業競争力を高める規制を期待したい」との声が上がっている。



