政府は、人工知能(AI)技術の急速な進展に伴う社会的リスクを管理するため、リスクの段階に応じた規制を導入するAI規制法案を、今国会に提出する方針を固めたことが11日、関係者への取材で分かった。同法案は、AIの利用用途や影響度に基づいてリスクを分類し、それぞれに応じた規制を課す枠組みを提供するものだ。
法案の概要と目的
この法案は、AIの利用がもたらす可能性のある悪影響を未然に防ぐことを目的としている。具体的には、AIシステムを「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3段階に分類。低リスクのAIには自主的なガイドラインの遵守を求め、中リスクには一定の義務付け、高リスクには事前の認可制を導入するなど、段階的な規制を設ける。
規制の対象となるAI
規制の対象は、顔認識技術や自動運転、医療診断など、人権や安全に重大な影響を与える可能性があるAIシステムに焦点を当てる。特に、差別やプライバシー侵害を引き起こす恐れのあるAIについては、厳格な審査が求められる。
- 低リスクAI: チャットボットやレコメンドエンジンなど、影響が限定的なもの。
- 中リスクAI: 採用選考や融資審査など、個人の権利に影響を与えるもの。
- 高リスクAI: 自動運転や医療診断など、人命や安全に直結するもの。
法案提出の背景
政府は、AI技術の活用が経済成長や社会課題の解決に不可欠である一方、そのリスクを適切に管理する必要性が高まっていると判断。欧州連合(EU)が先行してAI規制法を制定したことなど、国際的な動向も踏まえ、日本としても包括的な規制枠組みを整備する必要があるとしている。
今後のスケジュール
政府は、今国会中に法案を成立させ、早ければ2027年にも施行する方針。また、規制の実効性を高めるため、新たな監視機関の設置も検討している。
一方、経済界からは過度な規制がイノベーションを阻害する懸念も出ており、政府は業界の意見を聞きながら、バランスの取れた規制を目指すとしている。



