人気ダンスカンパニー「コンドルズ」が今年、結成30周年を迎える。学生服姿の男たちによる自由奔放な舞台は、世界中を魅了し、ダンスの可能性を広げてきた。メンバーはその息の長さをどう捉えているのか。
「癒やし系だから長続き」
主宰の近藤良平(57)は「20周年のほうが達成感があった。それからの10年は確固たるものがあり安心していた」と振り返る。プロデューサーの勝山康晴(55)は「『速く高く強く』が世の中の価値観だが、コンドルズは逆。頑張らなくていいと一息つける。癒やし系だから長続きしたのでは」と分析する。
結成の経緯と独自のスタイル
1996年、早稲田大学や横浜国立大学、群馬大学のダンス部出身者らが結成。コントや人形劇、映像を交えた型破りな舞台は、難解とされがちなダンス公演に新風を吹き込み、人気を博した。NHKホールなどの大舞台で成功を収め、世界約30カ国でも公演を行っている。
大東文化大学教授(美学)の石渕聡(61)は、コンドルズの表現を「ミクストメディア・パフォーマンス」と評する。「流行した当時、多くの人が先進的テクノロジーを取り入れたが、我々は段ボールや人形劇などアナログなものを舞台に組み入れた。かっこ悪くて画期的だった」と語る。
若い才能を引きつける魅力
2011年に加入したスズキ拓朗(41)は、上京時に母から渡されたDVDがきっかけだった。「『これってダンス?』と思ったが面白かった。参加するとみんな気持ちが良く、飲み会が多くて部活のよう。楽しくて定着した」と話す。現在は振付家として人気を集めている。
社会活動への広がり
近年は活動の幅を広げ、0歳児から入場可能な公演や障害者ダンスチームとの活動、市民参加型プロジェクトを展開。勝山は「参加しやすくやりやすいコンドルズのやり方が物事の活性化に向いている。生きがいを感じる場所を作るために役立ててほしい」と語る。
メンバーも50代が中心となり、体力の変化を感じながらも活動を続けている。スズキが「学ランを着ると20歳は若くなる」と言えば、石渕は苦笑い。「60代になると激しく動くのが物理的に無理になる。ケガはしなくなったが」と述べる。
新作公演の予定
12~14日には、近藤が芸術監督を務める彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)で新作「ALL YOU NEED IS LOVE」を上演。振り付け・演出は近藤が手がけ、14人が参加する。「正々堂々とラブを語るのは気持ちいい。題名はすんなり決まった。みんなハートを出しても恥ずかしくないと思っているのでは」と近藤。愛に癒やされる舞台となりそうだ。問い合わせは0570-064-939。



