ふるさと納税で自治体歳入3200億円減、8年間で会計検査院が算出
ふるさと納税で自治体歳入3200億円減 8年間で検査院算出

ふるさと納税が地方自治体の財政に与える影響について、会計検査院が新たな試算結果を公表した。検査院によると、他自治体への住民税の「流出」や仲介サイト事業者への手数料などを要因として、2024年度における自治体全体の歳入は約863億円減少したという。

8年間の累計は約3200億円に

今回の調査では、2017年度から2024年度までの8年間を対象に分析が行われた。その結果、この期間における歳入減少額の合計は約3200億円に達し、2020年度と2021年度を除くすべての年度で単年度マイナスとなっていることが明らかになった。

会計検査院は、ふるさと納税の状況が地方自治体全体の予算見通しを示す国の地方財政計画に影響を及ぼしているかどうかを検証するよう、総務省に対して求めた。

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ふるさと納税の仕組みと現状

ふるさと納税は、2008年度から地方創生を目的として開始された制度だ。納税者が「応援したい自治体」に寄付を行うと、自己負担額の2000円を超える部分が、居住自治体に納める住民税や国に納める所得税から控除される仕組みとなっている。

2015年度に導入された「ワンストップ特例制度」により、一定の要件を満たせば確定申告が不要となったことから、利用者は急増。2024年度の寄付総額は過去最高となる約1兆2727億円に達した。

経費と手数料の内訳

一方で、住民税の控除額は合計で約7688億円、経費は約5901億円に上った。経費の内訳を見ると、返礼品関連の費用が約3208億円、返礼品の送料が約733億円、そして寄付の9割以上が経由する仲介サイト事業者への手数料が約1379億円となっている。

寄付総額から住民税控除額と経費を差し引くと、マイナス約863億円となる。総務省によれば、住民税の減少分の75%は国の地方交付金で補塡されるため、地方交付金を受けている自治体にとっては同額がそのまま不足するわけではない。しかし、検査院はこれを地方自治体財政への影響額として示した。

都市部の自治体が問題視

ふるさと納税は地域振興に貢献している一方で、主に都市部の自治体が住民税の「流出」を問題視している。また、返礼品の諸費用や仲介サイト事業者への手数料も課題とされている。

総務省は2026年5月、手数料が高止まりしているとして仲介サイト事業者に対して引き下げを要請。経費の割合を減らし、2029年度までに自治体に入る割合を6割とする目標を示している。

検査院の指摘について、総務省は「引き続き適切に対応していきたい」とコメントしている。

住民税控除額が多い自治体トップ5

総務省の調べによると、2024年度のふるさと納税で2025年度の課税分から控除された額が多い自治体は以下の通り。

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  • 横浜市:343億円
  • 名古屋市:198億円
  • 大阪市:192億円
  • 川崎市:154億円
  • 世田谷区:123億円