食糧法17年ぶりの本格改正案が閣議決定 コメ生産方針を「需要に応じた」に転換
政府は2026年4月3日、主食の安定供給を定める食糧法の改正案を閣議決定し、国会に提出しました。この改正案では、従来の減反政策とほぼ同義とされてきた「生産調整」の記述を削除し、新たに「需要に応じた生産」を明記しました。しかし、需要の伸びが見込めない場合には、生産を抑制する旧来型の政策が継続されることになり、石破前政権が目指していた増産路線からの転換が明確になりました。
規制強化の内容と業界の懸念
改正案では、コメの販売業者に対して「民間備蓄」を義務づける規定が盛り込まれています。さらに、コメの取扱業の届け出対象を外食や弁当製造業者にも拡大し、在庫量を定期的に報告させるなど、規制強化の色合いが強くなっています。これに対して、業界からは懸念の声も上がっており、事業運営への影響が指摘されています。
食糧法の歴史と改正の背景
食糧法は、戦時中に制定された食糧管理法に代わって1995年に施行されました。それ以前はコメの価格や流通を政府が統制していましたが、この法律により原則として市場原理に委ねる方針に切り替えられました。同時に、政府備蓄米の制度も設けられました。農林水産省によると、今回の改正は、事故米の不正転売事件を受けて規制を強化した2009年以来、17年ぶりの本格的な改正となります。
「生産調整」に関する規定の削除は、農業政策の大きな転換点を示しています。政府は、コメの需給バランスをより柔軟に調整することを目指していますが、実際の運用では従来の枠組みが残る可能性もあり、今後の国会審議や施行後の動向が注目されます。



