大分県職員がサメ料理で全漁連会長賞を受賞、漁害を逆手にした地域活性化の一歩
大分市佐賀関沖で捕獲されたサメを活用した料理が、全国漁業協同組合連合会(全漁連)が主催する魚料理の全国コンクールで、全漁連会長賞を受賞しました。この料理を考案したのは、大分県中部振興局農山漁村振興部水産班の中川彩子さん(51歳)で、名産の「関あじ」や「関さば」漁の妨げとなっていたサメを有効利用する画期的なメニューとして評価されました。中川さんは「佐賀関のサメのおいしさを広く知ってもらい、消費拡大につながれば嬉しい」と喜びを語っています。
受賞料理の詳細と審査の経緯
受賞したのは、昨年開催された「第26回シーフード料理コンクール」に出品された「サメのごろっとおにぎり めかぶのポタージュ サメのキャラメリゼ添え」です。この料理は、532作品が応募した「魚活チャレンジ部門」で、書類審査を通過した7人のうちの一つとして実技審査に進みました。最高賞は逃したものの、全漁連会長賞という栄誉に輝きました。
おにぎりは、8ミリ角に切ったサメの肉をマヨネーズとケチャップであえ、県産の焼きノリで包んだシンプルながらも味わい深い一品です。ポタージュは、国産めかぶとアーモンドミルク、豆乳、佐伯市の伝統調味料「ごまだし」で仕上げ、揚げ焼きにしたサメの肉をキャラメリゼしてアクセントを添えました。審査員からは「気を配ったレシピでおいしい」と高く評価されました。
サメが漁業に与える影響と活用への取り組み
県漁協佐賀関支店によると、関あじと関さばが釣れる海域では、サメがアジやサバを捕食し、漁の妨げになっていました。このため、漁師たちは捕獲したサメを処分していましたが、約4年前、佐賀関の漁師から大分県の水産班に相談があり、県と同支店が協力してサメの利活用を推進することになりました。
中川さんは「個人的にも何か役に立てないか」と考え、コンテストへの応募を決意。中学3年生の長男と夫の助言を得ながら、10回ほど試作を重ね、昨年9月に申し込みました。実技審査は昨年12月に東京の服部栄養専門学校で行われ、中川さんの料理が審査員の注目を集めました。
受賞後の展望とサメの食材としての可能性
中川さんは「大きな賞をいただいて驚いています。サメは高たんぱく低脂質で、煮崩れしにくく、食材としても使いやすいです。この受賞を機に、佐賀関のサメに興味を持つ人が増えてくれればありがたい」と話しています。サメ料理の受賞は、漁害問題を逆手に取った地域活性化の成功例として、今後も注目されるでしょう。
この取り組みは、サメの消費拡大を通じて、地元漁業の持続可能性を高める可能性を秘めており、他の地域でも参考にされることが期待されます。大分県では、引き続きサメの利活用を促進し、名産品のブランド価値を向上させる方針です。
