廃校跡地にBMXコースが誕生 三陸で新たなにぎわいが広がる
高さ5メートルのスタート台から望む青い海は、15年前には濁流となって町を飲み込んだ場所です。岩手県大船渡市にある三陸BMXスタジアムは、そんな記憶を抱く土地に建設されました。人口減少によって廃校となった旧甫嶺小学校の校庭が、自転車BMXレースの専門コースへと見事に生まれ変わり、今では震災後に生まれた若い世代も多く集うスポットとなっています。
震災の記憶を風化させないための取り組み
2020年に完成したこのスタジアムを運営するTXF社の福山北斗さんは、施設の意義について次のように語ります。「このスタジアムが、震災のことを忘れない、風化させないための一端になればと願っています」。スタジアムでは2025年9月にもレースが開催され、2026年10月には全日本選手権の初開催が予定されています。これにより、地域内外からより多くの人々が訪れることが期待されています。
地域コミュニティの再生と活性化
三陸BMXスタジアムを拠点とするチームには、約70人もの選手が登録しています。大会や各種イベントには地域住民による観戦が恒例となり、「子どもの声が帰ってきて、感動して涙が出た」と喜びの声が上がったこともあるそうです。福山さんは「理想にうまく近づいている」と安堵の表情を見せます。廃校となった場所に再び活気が戻り、新たな交流の場として機能しているのです。
この取り組みは、単なるスポーツ施設の建設にとどまりません。震災からの復興過程で失われたコミュニティの再生を目指すものであり、地域の未来を担う若者たちが集う場を提供しています。青い海を背景にBMXが疾走する光景は、悲劇を乗り越えた三陸の新たなシンボルとなりつつあります。
スタジアムの存在は、震災の記憶を風化させないための具体的な手段としても機能しています。レースやイベントを通じて、訪れる人々にこの地の歴史を伝え続ける役割を果たしているのです。廃校活用の成功例として、他の地域からも注目を集めています。



