福岡県大川市の建具職人が高校生に修繕技術を伝授 技能継承と地域活性化へ新たな一歩
大川市の建具職人が高校生に技術伝授 技能継承へ新事業

福岡県大川市の建具職人が高校で実演 技能継承へ新たな試み

福岡県大川市の建具職人たちが、伝統技術の継承と地域活性化を目指し、市内の高校で初めて実習授業を実施した。大川建具事業協同組合が主導するこの取り組みは、若い世代に建具修繕の技を直接見せ、興味を持ってもらうことを目的としている。

老舗組合が直面する課題と新事業

大川建具事業協同組合は1960年に110事業者で発足し、最盛期には約200事業者まで拡大した。当時は県内の炭鉱住宅向け需要が旺盛だったが、住宅の洋風化などにより和建具の需要は次第に減少。現在は51事業者が所属するに至っている。

こうした状況の中、組合では全国建具組合連合会が制定した「よい戸の日」(4月10日)に合わせ、毎年大川市内の公共施設を対象に建具を無償で修繕する事業を展開。小中学校や公民館など約10か所を巡回し、手直し作業を行ってきた。

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高校での初めての実習授業

高齢化が進む建具職人の現状と将来の人材育成を見据え、組合は今年度から新規事業に着手。建築に関する専門科がある大川樟風高等学校に職人を派遣する取り組みを始めた。

2月中旬に行われた実習授業には、職人9人と住環境システム科1年の男子生徒8人が参加。職人たちは老朽化により開閉が困難になっている教室の引き戸を修繕しながら、その技術を生徒たちに披露した。

ミリ単位の調整が鍵 プロの技を間近に

実習では、引き戸の底にある戸車の交換作業が中心となった。職人たちは、建物の微妙なゆがみに応じてミリ単位で調整することの重要性を説明。この細かな調整が、引き戸の滑らかな開閉につながることを実演しながら伝えた。

作業を見学した16歳の生徒は「基礎的なことを学びつつ、プロの技を感じることもできた」と感想を述べ、職人の技術に強い関心を示した。

「まずは興味を持ってもらいたい」組合理事長の思い

大川建具事業協同組合の角明成理事長(58)は「生徒の皆さんに直接指導することができてよかった。まずは私たちの仕事に興味を持ってもらうところから始めていきたい」と語る。

組合では今後もこの継承事業を続ける方針で、「地元の若い人たちに技術を引き継いでもらい、地域活性化につなげたい」としている。伝統的な建具技術の保存と、新たな人材の育成が、地域の未来を支える重要な要素として位置付けられている。

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