都会から地方への移住に関心が高まる中、田舎暮らしに欠かせない車の運転に不安を感じ、移住をためらう人々が少なくない。こうした「ペーパードライバー」の背中を押すため、自治体が独自の支援策を打ち出している。
ペーパードライバー講習に補助金
千葉県富津市は2026年度予算に「移住者カーライフ補助金」を新規事業として計上した。初年度の予算額は7万円で、移住者がペーパードライバー講習を受ける際に受講費用の一部を補助する。上限1万4千円で、5人分を見込んでいる。
この制度は、昨年夏に市議会の視察に同行した職員が、富山県氷見市が2016年に導入した制度を知ったことがきっかけだ。富津市は人口減少ペースを緩やかにするため、移住者増加を目指している。平島光洋政策推進課長は「少ない予算で済み、現実的な制度だ」と導入の狙いを語る。
利用者の声
大阪から実家がある氷見市にUターンし、この制度を利用した木下有希さん(43)は「仕事に行くにも車が必要で、練習は欠かせなかった。支援はありがたかった」と振り返る。
富津市は「移住定住ガイドブック」に制度の仕組みを掲載するほか、イベントでの相談時に積極的にPRする方針だ。
広がる支援、免許取得にも
同様の支援制度は、群馬県館林市や宮崎県都城市などでも導入され、徐々に広がりを見せている。一方、山形県尾花沢市では利用者がおらず、昨年度で終了した。青森県平川市や鹿児島県南九州市などでも導入が検討されている。
専門家は「地方では車が生活の基盤。運転不安を解消する支援は移住促進に有効だが、高齢者の運転免許返納問題とのバランスも考慮する必要がある」と指摘する。
移住希望者のニーズに応えつつ、安全な運転環境を整える自治体の取り組みが注目される。



