愛知県蒲郡市、中高生の「第3の居場所」を2026年度に開設へ
愛知県蒲郡市は、中高生が気軽に立ち寄り、自由に遊べる環境を整備する「第3の居場所」づくりに本格的に乗り出す。2026年度当初予算案に1千万円を計上し、今年11月のオープンを目指す。運営は民間事業者が主体となり、開設や運営にかかる費用を市が支援する方針だ。
中高生の声を反映した居場所づくり
「図書館は勉強できるけど友達と話せない。フードコートはお金がかかる。気軽に来て遊べる居場所がほしい」――そんな中高生の切実な声に応える形で、蒲郡市はプロジェクトを開始した。これは鈴木寿明市長が2期目の残り任期で取り組む最優先課題「子どもファースト」の一環であり、2025年3月に策定した「蒲郡市こども総合計画」での課題を具体化するものだ。
2025年度、社会福祉法人楽笑が実施した中高生対象のアンケートでは、市内在住・在学の13~17歳996人から回答を得た。その結果、76%が「中高生年代の居場所となる施設が欲しい」と回答。立地やアクセスについては「学校帰りや休日に立ち寄りやすく、交通アクセスのいい場所」という意見が多く集まった。
具体的な要望として、「フリーWi-Fiがある」「自由に飲食物を持ち込め、食べられる」「しゃべりながら勉強や自習ができるスペース」「食べ物や飲み物が買える」といった項目がそれぞれ半数を超えた。これらの声を踏まえ、中高生で構成される「がまごおりティーンエイジ会議」が名称やコンセプトを議論。「自由な(フリー)居場所(バ)」を掛け合わせた「フリバ」と名付けられた。
施設の詳細と運営方針
予定場所はJR東海道線三河三谷駅近くの「みや児童館」1階で、延べ床面積は543平方メートル。周辺には店舗もあり、アクセス面で利便性が高い。開設日数は平日の放課後2日間と土日のうち1日、週3日を想定している。
運営には大学生のユースワーカー2人がスタッフとして見守り役を務め、設計からルール作りまで中高生のアイデアを積極的に生かしていく方針だ。モデルとして参考にしたのは、東京都文京区教育センターに開設された「b-lab(ビーラボ)」。「中高生のための秘密基地」をキャッチフレーズに、談話スペースや調理設備、ダンス・演劇用ホール、バスケットコート、音楽スタジオなどを備え、細かな禁止事項を設けずゲームやネット利用も自由な空間が特徴だ。
中高生の期待と地域の課題解決へ
がまごおりティーンエイジ会議に参加した三谷中2年の中村莞大さんは、コンセプトについて「周囲の目を気にせず、楽しめる場所。目的がなくてもふらっと立ち寄れる」と説明。「勉強しながら、時々友達と話ができる環境があるとすごくうれしい」と期待を寄せる。
同じく会議に参加した豊橋商業高2年の今泉柚乃さんは「フードコートなら1回190円使ったとして、連日行ったらお小遣いが減る。友人の家は気を使ってしまう。だから第3の居場所は必要」と語り、経済的負担や心理的ハードルの軽減を求める声を反映した。
蒲郡市の取り組みは、地域で子どもが自由に活動できる場所が限られるという課題を解決する一歩となる。中高生の声を直接反映した居場所づくりは、地域コミュニティの活性化にもつながることが期待されている。
