沖縄でカーリング協会が今夏発足へ 最南端の地で冬のスポーツが熱い
沖縄でカーリング協会が今夏発足 最南端の地で冬スポーツ熱

沖縄でカーリング協会が今夏発足へ 最南端の地で冬のスポーツが熱い

ウィンタースポーツになじみの薄い沖縄県で、今夏に県カーリング協会が発足する見通しとなった。これは国内で最も南に位置するカーリング競技団体となる。「人と人とをつなぐ」というカーリングならではの魅力を広く伝えようと、関係者たちが熱い意気込みを見せている。

南国の氷上で響くかけ声

沖縄本島南部の南風原町には、県内唯一のスケートリンクが存在する。1月中旬のある日、最高気温が21度まで上がり、街中では半袖姿の人々も見られた。そんな温暖な気候の中、リンクの扉を開くと、ダウンジャケットを着込んでスケートを楽しむ人々の奥から、独特のかけ声が響き渡った。

「イエス(掃いて)」「ハリー(速く)」

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この日開催されたカーリングの練習会には、50代の男性から20代の米国人留学生まで、5人が参加。するすると滑るストーンの前を2人が必死にブラシでこする姿が見られた。狙った位置にストーンが止まると、参加者全員でハイタッチを交わし、練習会を主催する上地雄大さん(29)が「調子いいですね。ナイスショット!」と声をかける和やかな雰囲気が漂った。

北海道での運命的な出会い

上地さんは那覇市出身で、高校時代まで野球に打ち込んでいた。千葉県の大学に進学してスポーツトレーナーの技術を学び、プロ野球・日本ハムの熱心なファンでもあった。その縁から「本拠地で試合を見るついで」に北海道での就職説明会に参加したことをきっかけに、2020年4月に北見市の企業へ就職した。

仕事はジムのトレーナーとして従事していたが、北海道でカーリングと運命的な出会いを果たす。北国の冬のスポーツに触れる中で、その魅力に深く引き込まれていったという。そして、故郷である沖縄へ戻った後も、このスポーツを普及させたいという強い思いを抱き続けた。

沖縄での普及活動の歩み

上地さんは沖縄に戻ってから、着実にカーリングの普及活動を進めてきた。南風原町のスケートリンクを拠点に定期的な練習会を開催し、地元住民や観光客にも体験の機会を提供。当初は「沖縄でカーリング?」と驚かれることも多かったが、実際に体験してもらうことで、その面白さと奥深さが少しずつ理解され始めている。

練習会に参加した50代の男性は「最初は好奇心で参加したが、戦略性とチームワークが求められるスポーツだと知り、すっかりはまってしまった」と笑顔で語る。また、米国人留学生は「母国でもカーリングは人気だが、沖縄でできるとは思わなかった。とても楽しい経験だ」と感想を述べた。

協会発足に向けた展望

今夏に発足が予定されている沖縄県カーリング協会は、単なる競技団体としてだけでなく、地域コミュニティの活性化にも貢献することを目指している。上地さんは「カーリングは年齢や性別を問わず楽しめるスポーツです。沖縄の温暖な気候の中で、新しい交流の場を作りたい」と語る。

具体的な活動計画としては、以下のような取り組みが検討されている。

  • 定期的な練習会と体験教室の開催
  • 学校や地域団体への出張講座
  • 県内大会の実施と他県との交流試合
  • 指導者育成プログラムの整備

沖縄県スポーツ振興課の関係者も「冬のスポーツのイメージが強いカーリングが沖縄で根付くことは、スポーツの多様性を広げる良い機会になる」と期待を寄せている。

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今後の課題と可能性

一方で、課題も存在する。沖縄県内にはスケートリンクが1か所しかないため、練習環境の確保が最大の課題だ。また、氷上スポーツに対する設備投資や維持管理コストも考慮する必要がある。

しかし、上地さんは前向きに捉えている。「確かにハードルはありますが、沖縄ならではのアプローチで解決していきたい。例えば、夏季には室内でのカーリング体験イベントを開催するなど、工夫次第で可能性は広がります」

沖縄の温暖な気候とカーリングという一見相反する要素が融合することで、新しいスポーツ文化が生まれようとしている。最南端の地から、氷上のスポーツが熱い広がりを見せ始めた。