花粉症でも春を満喫できる「避粉地」が人気を集める
避暑地ならぬ「避粉地(ひふんち)」が、近年注目を集めています。スギやヒノキなどの花粉飛散量が少ない地域を指し、花粉が増える春の季節に、旅行先や休暇とリモートワークを兼ねた「ワーケーション」の場として人気が高まっています。
花粉症に悩むビジネスパーソンの体験談
ITコンサルティング会社の代表を務める33歳の男性は、長年にわたりスギやヒノキの花粉による目のかゆみや鼻づまり、頭痛などの症状に悩まされてきました。特に頭痛がひどく、仕事が全く手に付かないこともあったといいます。
転機は2024年の年末。友人から「沖縄は花粉が少ないらしい」と聞き、調べてみると、避粉地と呼ばれていることを知りました。その2か月後には、短期賃貸マンションとレンタルオフィスを利用し、40日間を那覇市で過ごしました。
男性は「滞在中は花粉症の症状が全く出ず、頭痛もすっきり消えました。まるで別世界に来たような感覚で、仕事の効率も3倍近く上がりました。久しぶりに春を心から楽しむことができました」と、うれしそうに語っています。
避粉地とは何か?
避粉地とは、花粉症の原因となるスギやヒノキなどが少なく、花粉を気にせず過ごせる場所のことです。スギやヒノキが自生しにくい寒い地域や標高の高い土地、戦後に大規模な植林が行われなかった沖縄や離島などが該当します。花粉症に悩む人が増える中、近年、避粉地を観光資源の一つとしてとらえる動きが広がっています。
観光業界の取り組み
星野リゾート(長野県)は今年、「星のや沖縄」(沖縄県読谷村)と「星のや竹富島」(同県竹富町)で、「花粉症を忘れる、至福の『避粉』旅」と題した旅行プランを企画しました。屋外でのランチやティータイム、乗馬や散歩といったアクティビティーを盛り込んでいます。
同社の担当者は「沖縄の春は『うりずん』と呼ばれ、特に過ごしやすい季節です。花粉を気にせず、沖縄の風を存分に感じながら、至福の時間を満喫してほしい」と話しています。
このように、避粉地は単なる旅行先ではなく、健康面でのメリットも大きく、ワーケーションを通じて生産性向上にもつながる可能性が示されています。春の行楽シーズンに、花粉症対策として新たな選択肢として注目が集まっています。