群馬県が尾瀬国立公園で入域協力金500円の実証実験を今夏実施、財源確保へ
尾瀬国立公園で入域協力金500円実験、群馬県が今夏実施 (06.03.2026)

尾瀬国立公園で入域協力金500円の実証実験、群馬県が今夏に実施へ

群馬県は、尾瀬国立公園への入域料導入を検討する中で、今夏に県域の主要2ルートで1人500円を目安とした任意の「入域協力金」を募る実証実験を行うことを決定しました。この取り組みは、公園内の木道などの利用施設の老朽化やニホンジカ対策の財源不足を背景としており、利用者負担の在り方を詳細に検証することを目的としています。

実験の詳細と実施期間

実証実験は、尾瀬の主要な入り口である鳩待峠(片品村)と大清水(同)の2カ所で実施されます。具体的な期間は以下の通りです。

  • 8月10日から19日までの10日間:日中8時間程度、収受員を配置して協力金を募ります。
  • 9月11日から20日までの10日間:無人の収受箱を設置し、自主的な協力を呼びかけます。

支払い方法としては、現金に加えてスマートフォンでQRコードを読み取るキャッシュレス決済にも対応し、利便性を高めています。中学生以下や山小屋、歩道などの管理者は除外され、協力者にはカード型の協力者証が配布されます。

協力金設定の背景と期待される効果

目安を500円とした理由は、国立公園に関する内閣府の世論調査で「500円まで支払える」との回答が9割近くに上ったことから、影響が小さく高い協力率が見込めると判断されたためです。過去の入山者データを基に試算すると、手数料などを除いた2026年度の最終的な収受額は約329万円となる見込みです。

実証実験では、以下の点を重点的に検証します。

  1. 有人・無人による協力率の差
  2. 利用者意識や来園者数への影響
  3. 事務コストの効率性

協力金の使途は、木道の維持管理や登山道整備、食害などのニホンジカ対策を含む自然景観の保全を中心に検討されています。県によると、老朽化した木道の再整備費は1メートル当たり20万円とされ、利用状況を踏まえて一部撤去などの工夫をしても、今後年間1億円程度が必要になるとされています。

今後の展望と関係者のコメント

群馬県の永井浩二環境森林部長は、協議会で「利用者負担による財源が加わることで保護や整備が充実し、尾瀬の魅力向上や入山者の増加につながっていく好循環を目指したい」と述べ、この取り組みへの期待を表明しました。

県は2026年度の早い時期に、県を事務局として関係自治体や団体などで構成する協議会(仮称)を立ち上げ、協力金の収受・管理や情報発信、事業計画の策定・実施に取り組む方針です。2027年度も実験を継続し、結果を踏まえて2028年度以降、尾瀬全域での導入を尾瀬国立公園協議会に諮りたい考えです。

この実証実験は、自然保護と観光振興の両立を図る重要な一歩として注目されています。群馬県を中心とした関係機関は、持続可能な公園管理の実現に向けて、利用者との協力体制を強化していく姿勢を示しています。