愛知・岐阜・三重の地形を高精度3次元データ化、防災活用へ 中日本航空が航空レーザー計測
愛知・岐阜・三重の地形を高精度3次元データ化、防災活用へ

愛知・岐阜・三重の地形を3次元データ化、防災活用へ

南海トラフ地震などの大規模災害に備え、中日本航空(愛知県豊山町)が愛知県や三重県などで地形の航空レーザー計測を進めている。一般的なデータの10倍以上の精度で3次元データを収集し、安全な避難場所や経路の特定、早期復旧に役立てることを目指す。

航空レーザー計測の仕組み

航空レーザー計測は、ヘリコプターなどの航空機に搭載した計測装置からレーザー光を照射し、その反射時間を基に地上や建物の高さを計測する技術である。通常、国や都道府県が公共事業として実施し、地形や建物の形状を立体的に表現した「3次元点群データ」を収集し、地形図や3次元地形モデルの作成に活用される。

高精度データの特長

国土地理院によれば、一般的な航空レーザー計測では1平方メートル当たり4点以上の点群データが必要とされる。しかし、中日本航空は1平方メートル当たり50点のデータを取得しており、これは標準の10倍以上の高精度である。この精度により、10センチ程度の高低差も検出可能だ。

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計測の進捗状況

同社は昨年11月から独自の計測を開始。愛知県ではほぼ全域の計測が完了し、三重県では6割強が終了した。さらに、岐阜県南部でも計測を進めている。取得したデータは、災害発生直後の計測と比較することで、被害状況や今後の災害リスクを分析するために活用される。液状化などで土地の境界が不明瞭になった場合には、データを基に早期の災害査定や罹災証明書の発行を支援することも想定されている。

今後の展開

同社は今後、取得したデータの販売や公開方法を検討する。木場隆生執行役員(62)は「県全域を最高水準の精度で計測することで、発災前後の違いを詳細に把握できる」と述べている。

静岡県の先行事例

同様の取り組みとして、静岡県は2019年度から1平方メートル当たり16点の点群データ収集を開始し、2025年度に県全域での計測を完了した。総事業費は約18億円で、データはインターネット上で公開されている。2021年7月に発生した熱海市の土石流災害では、県と民間企業が協力して発災前後のデータを比較し、崩落箇所や盛り土の規模を約1日で特定。さらに、現場に盛り土の一部が残っていることも明らかにした。

専門家の期待

三重県では、南海トラフ地震により100以上の集落が孤立する可能性がある。三重大大学院の川口淳教授(地域防災学)は、中日本航空の取り組みについて「孤立集落を計測すれば、復旧の困難さなど現場での判断に時間がかかる事項も即座に把握でき、被災後の支援戦略を立てやすくなる」と期待を寄せている。

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