祐天寺の町中華「三久飯店」で味わう、昭和の香り漂う天津丼の魅力
祐天寺「三久飯店」で味わう昭和の町中華、天津丼の魅力

祐天寺の商店街に佇む、昭和の香り漂う町中華「三久飯店」

東京都目黒区の祐天寺二丁目、昭和通りと駅前の道が交わる曲がり角に、創業昭和42年(1967年)の老舗町中華「三久飯店」はひっそりと佇んでいる。白ペンキ塗りの外壁と真っ赤な幌看板のコントラストが印象的な木造二階建ての店舗は、正統派の町中華ながら、どこかアーリーアメリカンな洋館の雰囲気も漂わせている。

ファッション関係者やアイドルファンも集う人気店

店内には朱赤色の食卓が並び、厨房側のカウンターには大型の招き猫が鎮座。壁にはファッションブランドのロゴや「スタイリスト私物」と記されたウチワなどが飾られており、町中華好きのファッション関係者が頻繁に訪れるという。また、某アイドルグループがロケで使用したことから、その情報を聞きつけたファンの若い女性たちも足を運ぶようになった。

「推しのコと同じものを食べて帰っていくんですよ」と、三代目店主の尾林正浩さんは微笑む。純粋な家族経営で、正浩さんとその母、そして母の兄が厨房で黙々と調理に励んでいる。創業は祖父母の代に遡り、店名の「三久」は、初代店主の名前「佐藤二三(にぞう)」の「三」と、当時の大家の名前「久(ひさし)」を組み合わせたものだという。

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甘酢ダレが絶妙な自慢の天津丼

メニューの目玉は、甘酢ダレがたっぷりかかった「天津丼」(1100円)。玉子の上に茶色っぽい甘酢味のタレがまぶされたオーソドックスなスタイルで、日本の天津丼が中国の天津に存在しないことは周知の事実だが、戦後に大陸から引き揚げてきた人々が始めた中華料理屋で広まったメニューと推測される。

店では品書きこそ「天津丼」としているが、スタッフたちは「テンシンハン」と呼んでおり、そのほのぼのとした呼び方にも温かみを感じる。他にも、芝エビがたっぷり入った「エビチャーハン」(1200円)や「野菜炒め」(1000円)など、どれも通い続けたくなるような味わいだ。

古き良き昭和通りと祐天寺の街並み

三久飯店が位置する昭和通りは、商店街が成立したのが昭和時代であることに由来する。道自体は明治時代の地図にも記されており、鎌倉街道の一つかもしれないほど歴史のある筋だ。通りには「洋服お直し」の看板を掲げたテーラーや地元の食通が通う肉屋、女性バーテンダーが立つ珈琲屋など、新旧入り混じった素朴な商店が並ぶ。

東横線の祐天寺駅は、昭和2年(1927年)の開通時に設置された。駅周辺には狭い通りに商店街が続き、散歩心をくすぐる風景が広がる。駒沢通りから入ってきた東急バスが駅横のガードをくぐり抜ける光景は昔ながらの風情を残し、線路沿いには大正初め創業の造園業「高坂商店」の古屋敷が今も佇んでいる。

店舗情報

三久飯店

  • 住所:東京都目黒区祐天寺2-17-11
  • 電話:03-3711-5946
  • 営業時間:11:30~15:00、17:00~21:00
  • 定休日:月・火曜(月曜が祝日の場合は営業)

※掲載情報は2026年3月20日時点のもの。臨時休業や営業時間変更の可能性があるため、事前確認を推奨する。

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