函館で春を告げる市民歌舞伎、各界名士28人が熱演
函館に春の訪れを告げる恒例の市民歌舞伎「初春巴港賑」が2月15日、函館市民会館で盛大に開催されました。この伝統的なイベントには、経済界、文化界、医療界など様々な分野から28人の名士が出演し、約1000人の観客が集まる大盛況となりました。観客たちは、普段とは異なる舞台姿で熱演する地元のリーダーたちに、惜しみない拍手を送りました。
向山衆院議員のユーモアあふれる口上が会場を沸かす
幕開けでは、大泉潤函館市長と、先日行われた衆議院選挙で当選を果たした自民党の向山淳衆院議員が口上を述べました。向山議員は、自身の任期中に発生したスルメイカ漁獲可能量の超過による禁漁問題への対応を振り返り、「イカの町・函館の一大事と『イガ、イガイガ~』と叫んでおりましたら、永田町党本部でのあだ名は『スルメイカ』になりました」と語りました。さらに、「かめばかむほど味が出る、そんな議員になってまいりたい」とユーモアを交えて締めくくり、会場全体を笑いと温かい雰囲気で包み込みました。
「白浪五人男」で地元経済人が盗賊役に挑戦
最初の演目は、「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」でした。この演目では、日本駄右衛門をはじめとする5人の盗賊役を、地元企業の代表者らが熱演しました。
- 十字屋の菅原雅仁代表取締役
- 函館タータン協会の岡田暁会長
- 藤井辰吉道議
桜が咲き誇る稲瀬川の土手で追っ手に囲まれた盗賊たちが名乗りを上げる場面では、七五調のリズムや巧みな掛け言葉が盛り込まれた名せりふが披露され、観客を魅了しました。
「仮名手本忠臣蔵」で医療・飲食界のリーダーが熱演
二つ目の演目は、赤穂浪士の討ち入りを題材にした「仮名手本忠臣蔵」の三、七段目でした。特に七段目は、主君の敵討ちを心に秘める由良之助を巡る物語に、討ち入りに加わりたい足軽・寺岡平右衛門とその妹の遊女お軽が絡む人気の演目です。
- 由良之助役:函館渡辺病院の三上昭広理事長
- 平右衛門役:五島軒の若山豪社長
- 遊女お軽役:黒滝行政書士事務所の黒滝達也所長
それぞれの役者が、情感豊かな演技で観客を物語の世界に引き込み、会場は熱気に包まれました。
市民が主役の文化事業、地域に根差した活動が評価
この市民歌舞伎は、市民らで構成されるNPO法人「初春巴港賑」(今均理事長)が主催しています。同団体の活動は高く評価されており、2024年には「北海道地域文化選奨」を受賞する栄誉に浴しました。地元の名士たちが自ら舞台に立ち、伝統芸能を通じて地域の文化を発信するこの取り組みは、函館の春の風物詩として確固たる地位を築いています。



