興福寺五重塔の大規模修理、最上部「相輪」取り外し作業を公開
興福寺五重塔の相輪取り外し、修理作業を公開

国宝・興福寺五重塔で大規模修理が進行、最上部の「相輪」取り外し作業を公開

奈良市登大路町にある国宝・興福寺五重塔において、大規模修理の一環として最上部に位置する「相輪」の取り外し作業が、2026年4月15日に報道陣に対して公開されました。この歴史的建造物は現在、修理用の建屋(素屋根)に覆われており、貴重な文化財の保存に向けた取り組みが着実に進められています。

室町時代に建立された五重塔、約120年ぶりの大規模修理

興福寺五重塔は、室町時代の1426年に建立された歴史的価値の高い建造物です。今回の大規模修理は、1901年(明治34年)以来、実に約120年ぶりの大規模な事業となります。相輪は高さ約15メートルにも及び、その解体作業の過程では、薄い板にお経を記した「柿経(こけらきょう)」や巻物など、貴重な歴史的資料が発見されました。これらの資料は現在、興福寺において詳細な調査が行われています。

火炎形の飾り「水煙」を慎重に下ろす

公開された作業では、相輪の上部に設置されている火炎形の飾り「水煙(すいえん)」が、クレーンを用いて建屋内の床へと慎重に下ろされました。この作業は、文化財を損なうことなく安全に行われるよう、細心の注意が払われています。今後は、塔本体をジャッキで持ち上げ、部材の交換作業が実施される予定です。

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総事業費は75億円、完成は2034年春を見込む

奈良県文化財保存事務所興福寺出張所によれば、この大規模修理の総事業費は、当初の予定を10億円上回る75億円に達することが明らかになりました。事業の完了は2034年春を目指しており、長期的な視点に立った文化財保護の取り組みが続けられています。この修理事業は、日本の伝統的な建築技術を継承しつつ、未来の世代へと貴重な文化遺産を引き継ぐ重要な役割を果たしています。

興福寺五重塔の修理は、単なる建物の修復にとどまらず、歴史的・文化的価値を守るための国家的な事業として位置づけられています。関係者は、細心の注意を払いながら作業を進めており、その過程で新たに発見された資料から、さらなる歴史的知見が得られることが期待されています。

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