奈良県立民俗博物館、収蔵品の整理に向けた基本方針を策定
奈良県立民俗博物館(県立民博、大和郡山市)は、収蔵品の整理と保存を議論する検討委員会を開催し、資料収集・保存の基本方針と除籍マニュアルの案をまとめました。この取り組みは、博物館の適切な資料構成を維持することを目的としています。
除籍を基本とし、廃棄は最小限に
基本方針では、収蔵品の除籍を認める一方で、廃棄は損傷がひどい資料などに限定し、あくまで最小限と明記しました。除籍の目的は、他施設への譲渡や来館者の体験学習での活用を基本とし、資料の二次的な活用を促進します。
詳細なマニュアルで透明性を確保
除籍を決める際のマニュアルも作成され、同館の総務学芸課長と全学芸員が検討会で議論します。必要に応じて外部識者を加え、館の運営協議会の意見も踏まえた上で、館長が最終判断を下す仕組みです。
全国的な博物館問題を背景に
県立民博の収蔵品をめぐっては、山下真知事が「価値あるもの以外は廃棄処分を含めて検討せざるを得ない」と発言し、賛否両論が起こりました。これにより、全国的な博物館・資料館での民俗資料の収蔵庫不足が表面化し、国も博物館の「望ましい基準」を見直し、廃棄を含めた資料管理を明文化することを検討しています。
専門家の評価と今後の展望
検討委員会の日高真吾委員長は会見で、「収蔵資料の除籍や廃棄を明記した博物館のマニュアルは例が少なく、他の館にも参考になる」と評価しました。また、「資料を残すか廃棄するかの二分論ではなく、除籍して二次活用する道を示せた」と振り返りました。
一方、県文化財課は、県立民博の展示再開が2027年度から2028年度にずれ込む可能性があることを明らかにしました。現在、資料の整理が進められており、今後の進捗が注目されます。



