赤福浜田社長が語る伊勢の未来 餅菓子新商品と「オカゲ屋敷」で文化継承
赤福社長が語る伊勢の未来 新商品と「オカゲ屋敷」で文化継承

伊勢の老舗和菓子店「赤福」の女将が語る文化継承への熱意

三重県伊勢市に本店を構える老舗和菓子店「赤福」の浜田朋恵社長(58歳)が、伊勢の文化を次世代へつなぐための取り組みについて語りました。浜田社長は、赤福本店の女将として、毎朝午前5時前に「おくどさん(かまど)」に火を入れる役割を担っています。同時に、伊勢神宮内宮近くの観光スポット「おかげ横丁」を運営する「伊勢福」の社長も兼務しており、2033年に控える式年遷宮に向けた地域活性化策に力を注いでいます。

コロナ禍を機に開発された新商品「燦」

浜田社長は、日本の人口減少や餅つきをする家庭が減っている現状に危機感を抱いていました。新型コロナウイルスの流行で店舗営業が困難だった時期を活用し、従業員と共に商品開発に取り組みました。その結果、2023年末に賞味期限が約8日間あるひとくちサイズのお餅「燦」を発売しました。チョコ味とイチゴ味の2種類があり、若者や外国人にも餅菓子の魅力を伝えることを目指しています。

「若者や外国人にも餅菓子の魅力を知ってもらいたいです」と浜田社長は語ります。また、2020年に発売した持ち帰り用の「赤福ぜんざい」や、2021年発売の「白餅黒餅」も人気を集めており、新商品を通じて伝統の味を現代に合わせて進化させています。

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若者の関心を集める伊勢の文化発信

前回の式年遷宮が行われた2013年には約1420万人が伊勢神宮を訪れましたが、当時は年配の参拝客が多かったと浜田社長は振り返ります。近年では、おかげ横丁での食べ歩きをSNSで発信する芸能人の影響もあり、若い世代の関心が高まっています。浜田社長は、他の観光地との差別化を図るためには、伊勢独自の文化を積極的に発信することが重要だと強調します。

おかげ横丁では、ひな祭りや端午の節句など日本の四季折々の祭りを若者にも楽しんでもらえるイベントを企画しています。特に、秋の収穫に感謝する「新嘗祭」(11月23日)に合わせて開催する新酒祭は、稲作文化を分かりやすく伝える機会として重視されています。

体験型ミュージアム「オカゲ屋敷」で文化を体感

2033年の式年遷宮に向けた新たな取り組みとして、2026年6月におかげ横丁内に体験型ミュージアム「オカゲ屋敷」を開業する予定です。この施設では、感謝の気持ちから生まれる妖精「オカゲサマ」との交流や様々な遊びを通じて、伊勢の自然や歴史を体感できるよう設計されています。

「日本人が持つ『おかげさま』という感謝の心が海外でも称賛されています。伊勢の文化を伝えるため、このテーマ館を設立します」と浜田社長は説明します。また、5月から行われる民俗行事「お木曳」では、地元の子どもたちが木遣りを練習するなどして郷土愛を育んでおり、こうした伝統を次世代へ継承することが不可欠だと訴えます。

「日本の聖地」としての伊勢の未来

浜田社長は、伊勢を「日本の聖地」にふさわしい場所と位置づけ、世界中の人々に訪れてもらえるよう、文化を守りながら新しい挑戦を続けていく方針を示しました。「誇るべき伊勢の文化を次世代につないでいかなければなりません」と語り、伝統と革新のバランスを大切にした活動を続けていく決意を明らかにしました。

浜田朋恵氏は1967年に伊賀市で生まれ、大谷大学卒業後、1993年に赤福11代目の浜田典保氏(現・赤福顧問)と結婚しました。2023年2月に伊勢福社長、2024年10月に赤福社長に就任しています。赤福は1707年(宝永4年)創業、おかげ横丁は1993年に開業した歴史ある施設です。

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