聖地で蘇る戦隊の魂、変身の瞬間に感動が広がる
アカレンジャーのマントが風に翻り、ゴジュウウルフが力強いポーズを決める。スーパー戦隊の戦士たちが目の前で繰り広げる戦いに、胸が熱くなる瞬間があった。東京ドームシティ・シアターGロッソで現在開催されている「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーショー第4弾『これが最後の戦いだ! ファイナルナンバーワンバトル! レディ、ゴー!』」を、筆者は実際に鑑賞した。
50年の歴史にピリオド、しかし聖地では戦いが続く
2026年2月8日、ゴジュウジャーの最終回をもって、スーパー戦隊シリーズは50年の歴史にいったん幕を下ろした。長年にわたり戦隊の存在が当たり前だった特撮ファンにとって、この終焉は少なからぬ喪失感を伴うものだった。しかし、このヒーローショーの「聖地」では、カラフルな戦士たちが変わらぬ姿で戦い続けている。さらに今回は「素顔の戦士特別公演」として、ゴジュウジャー変身前の俳優たちも出演する豪華版となっている。
初代ゴレンジャーと素顔の戦士たちが共演
ショーが開幕すると、黒十字軍の大幹部、火の山仮面マグマン将軍らが舞台に乱入。会場の子供たちを守るため「待て!」と登場するのは、初代「秘密戦隊ゴレンジャー」の5人だ。彼らの名乗りに客席から大きな拍手が湧き起こる。そこに、たたみかけるように素顔の戦士たちが登場。ゴジュウウルフの遠野吠(演・冬野心央さん)、ゴジュウレオンの百夜陸王(演・鈴木秀脩さん)、ゴジュウティラノの暴神竜儀(演・神田聖司さん)、ゴジュウイーグルの猛原禽次郎(演・松本仁さん)、ゴジュウポーラーの熊手真白(演・木村魁希さん)、そして一河角乃が変身したゴジュウユニコーン(声の出演・志田こはくさん)の6人に、客席の興奮は頂点に達する。さらに、ゴジュウジャーの敵、ブライダン特攻隊長ファイヤキャンドル(演・三本木大輔さん)も加わり、舞台は豪華な布陣で埋め尽くされた。
変身の瞬間に込められた戦隊の真実
素顔の5人がポーズをとって「エンゲージ!」と叫ぶと、光と影が交錯し、明るくなったステージには変身後のゴジュウジャーが並ぶ。この変身場面では、子供たちだけでなく大人たちからもどよめきと拍手が起こる。目の前で実際に「変身」が行われるからだ。筆者も、この瞬間には思わず涙がにじんでしまう。なぜなら、ここでこそ「戦隊は本当にいる」と実感できるからである。
アクションと演出が織りなすヒーローショーの神髄
アクションシーンでは、ゴレンジャー時代の小ネタが散りばめられ、高所からの華麗な飛び降りやワイヤーアクションも披露され、観客を飽きさせない。ヒーローショーの真髄がここに凝縮されている。その後、厄災・パラドクスが出現し、ゴレンジャーを消し去り、ゴジュウジャーたちを窮地に追い込む。場内は一丸となり、追い詰められた戦士たちに声援を送る。筆者も小声で「がんばれ-」と参戦した。
聖地ならではの演出と感動の涙
旧後楽園ゆうえんちの野外劇場時代から番組とともに歩んできた「ヒーローショーの聖地」ならではの演出も加わり、応援していると、これまで放送されてきた49のスーパー戦隊とともに戦っているような気持ちになる。また少し涙が出てしまうが、これは前向きな、自分も頑張って生きていこうと奮い立たせてくれる涙だ。
大団円と公演後の楽しみ
様々な経緯を経て、全員が勢ぞろいする大団円では、会場から万雷の拍手が起こる。客席もステージ上の素顔の戦士たちも、笑顔に満ちている。30分程度と短いショーだが、元気と勇気が詰まった物語と迫力あるアクションを間近で体験できるのは、世界でも稀なことだろう。
公演後にも楽しみは続く。Gロッソのあるジオポリス地下1階には、テレビに登場したテガソードのコックピットが特設され、有料で写真撮影が可能だ。ポップアップショップでは限定商品も販売されている。さらに、公演日には劇場前で、ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)所属のスーツアクター、藤田洋平さんが仲間たちと「フジタイヤキ」のキッチンカーでたい焼きを販売。筆者が訪れた日には、スーツアクター仲間の森博嗣さんも販売スタッフとして働いていた。これらのアトラクションは、戦隊50年に感謝を込めて用意されたものだ。
戦隊ファンだけでなく、すべての世代におすすめ
ショーは3月22日までの土、日、祝日に開催されている。子供や「大きいお友達」はもちろん、「戦隊はとっくに卒業した」という大人たちにもおすすめである。ぜひ、Gロッソで、ヒーローがまとう空気を体感してほしい。
