福岡の日本酒「田中六五」、山田錦で醸す1855年創業の伝統 いつ飲んでも美味を追求
福岡「田中六五」、山田錦で醸す1855年創業の伝統酒

日本の酒造りは500年以上の歴史を刻み、技術の伝承と向上が絶えることなく続いてきました。2024年12月には、「伝統的酒造り」として国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、その価値が世界的に認められています。そんな中、福岡県糸島市の白糸酒造が造る日本酒「田中六五」は、地元産の酒米「山田錦」を使い、創業時からの伝統製法を守りながら、現代の味覚に合わせた革新を重ねています。

1855年創業の歴史とこだわりの醸造

白糸酒造は1855年に創業し、長きにわたり福岡の地で酒造りを続けてきました。同社は糸島市産の酒米「山田錦」を年間約180トン購入し、一升瓶換算で11万本の日本酒を生産しています。この規模は、地域経済にも貢献する重要な産業となっています。

伝統製法「ハネ木搾り」の継承

酒造りの工程では、「ハネ木搾り」と呼ばれる独特の製法が創業時から受け継がれています。これは石の重みを使って醪(もろみ)をゆっくりと搾る方法で、時間をかけることで雑味が少なく、まろやかな味わいを引き出します。蔵人11人と共に、8代目代表の田中克典さん(41歳)がこの伝統を守りながら、日々の醸造に取り組んでいます。

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「田中六五」の開発理念と名称の由来

代表銘柄である「田中六五」は、約15年前に田中克典さんが「いつ飲んでもうまい酒が良い酒」との思いで開発しました。この理念は、季節や時間を問わず、常に安定した美味しさを提供したいという強いこだわりを反映しています。

名称の「六五」には二つの意味が込められています。一つは精米歩合の65%を指し、もう一つは「山田錦の田んぼの中の蔵で醸造した」という地元への愛着を表現しています。このネーミングは、技術的な側面と地域性を巧みに組み合わせたものです。

国際的な広がりと今後の展望

「田中六五」は今ではアジアを中心に海外でも飲まれるようになり、国際的な評価を高めています。田中さんは「上品で滑らかな舌触りを目指している」と語り、さらなる品質向上に意欲を燃やしています。伝統を礎にしながら、新たな挑戦を続ける姿勢が、この銘柄の魅力をさらに引き立てています。

この記事は「日本酒」編の全6回のうちの一つとして、手仕事の現場を訪ね、その歴史や製法、魅力に迫るシリーズの一環です。白糸酒造のような蔵元の努力が、日本の酒文化を支え、未来へとつなげています。

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