岡本太郎美術館で昆虫愛あふれる作品展、漫画家・じゅえき太郎さんが無料ミニ企画第1弾を開催
川崎市多摩区にある岡本太郎美術館は現在、展示室などの大規模改修工事を進めており、2028年度まで閉鎖される予定です。しかし、工事の影響を受けない館内スペースを活用し、新たな無料ミニ企画「ちょこっとTARO 太郎の森」の第1弾を開始しました。この企画は、昆虫を題材にした作品で知られるイラストレーター兼漫画家のじゅえき太郎さん(37)とのコラボレーションとして実現しました。
岡本作品と並ぶ昆虫アート、じゅえき太郎さんの熱意
じゅえきさんは、2015年度の第19回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)で入選したインスタレーション作品「むしとり」や、真っ赤な背景にカブトムシなどが浮かび上がる絵画4点、岡本作品も登場する4こま漫画の新作7点を出品しています。これらは、岡本太郎が樹木をモチーフに制作した立体作品「夢の樹」など約30点とともに、無料のギャラリースペースに展示されています。
「憧れの岡本さんの作品と一緒に展示させていただくのは、うれしさと緊張感が入り混じっています。これまでの積み重ねを多くの方に見ていただきたいです」と、じゅえきさんは来場を呼びかけています。彼の作品は、擬人化した昆虫のイラストや4こま漫画を紹介するSNSアカウント「ゆるふわ昆虫図鑑」で人気を博し、絵本「すごい虫ずかん」シリーズ(KADOKAWA)などの著作を次々と発表しています。
岡本太郎の言葉に触発され、絵の道へ決意
じゅえきさんは東京都世田谷区出身・在住で、小学生の頃から虫捕りと絵を描くことが大好きでした。漫画家やイラストレーターになる夢を持っていましたが、大学卒業後は「会社員の方が安全な道」と考え、民間企業に就職しました。しかし、絵の道に進みたい気持ちを抑えきれず、もんもんとする日々を送っていました。
そんな中、彼が出合ったのが岡本太郎の言葉「危険だ、という道は必ず、自分の生きたい道なのだ」でした。「この言葉に思いっきり刺さりました。岡本さんの言葉を信じて、フリーランスとして絵の仕事をしようと決心したのです」と、じゅえきさんは振り返ります。この決断が、現在の活躍につながっています。
ペンネームの由来と展示への想い
じゅえきさんのペンネームは、TARO賞入選後に名乗り始めたもので、「じゅえき」は昆虫が集まる樹液を意味し、「太郎」は本家の岡本太郎から拝借しました。「岡本さんなら今回の展示をどう思うかと考えていたら、胃が痛くなるほど緊張しました。この状況も、まさに危険な道なのかもしれませんね」と、彼は苦笑いを交えて語ります。
ミニ企画第1弾は7月12日まで開催され、開館時間は午前9時半から午後5時です。期間中は原則として月曜日が休館となりますが、5月4日は開館し、5月7日と8日は休館となります。展示室は老朽化に伴う改修工事のため閉鎖されていますが、無料スペースでの展示は継続されます。問い合わせは美術館(電話044-900-9898)まで。



