木材の表面をチェーンソーで縦横無尽に彫り刻む独自の表現で知られた彫刻家で、武蔵野美術大学名誉教授の戸谷成雄(とや・しげお)さんが15日、肺炎のため死去した。78歳だった。葬儀は近親者のみで執り行われ、喪主は妻のたみ子さんが務めた。後日、お別れの会が開かれる予定。
長野県小川村に生まれ、愛知で彫刻を学ぶ
戸谷さんは長野県小川村で生まれ、愛知県立芸術大学および同大学院で彫刻を学んだ。1980年代から取り組んだ「森」シリーズが代表作として知られる。チェーンソーを用いて木材の表面を大胆に彫り込み、独自の造形世界を築き上げた。
国際的な評価と受賞歴
1988年にはベネチア・ビエンナーレ国際美術展に出展。日本国内だけでなく、アジア・太平洋地域を代表する現代彫刻家として国際的に高く評価された。2022年から2023年にかけては、長野県立美術館と埼玉県立近代美術館を巡回する個展が開催され、多くの来場者を集めた。
2009年に紫綬褒章、2025年には旭日小綬章を受章するなど、その功績がたびたび顕彰された。戸谷さんの死は、現代美術界に大きな喪失感をもたらしている。



