木村武山生誕150年記念展 花鳥画の新機軸と技法を茨城で公開
木村武山生誕150年記念展 花鳥画の新機軸を公開 (06.03.2026)

木村武山の生誕150年を記念した展覧会が茨城で開催中

茨城県天心記念五浦美術館では、日本画家・木村武山(1876~1942年)の生誕150年を記念した展覧会を開催しています。武山は笠間市出身で、東京美術学校時代に岡倉天心の指導を受け、卒業後は日本美術院で横山大観や菱田春草、下村観山らとともに新しい日本画の創造に尽力しました。

日本美術院の中核として活躍した画業

知名度は大観や観山に比べて低いものの、武山は歴史画、花鳥画、仏画など幅広いジャンルで存在感を示し、日本美術院を代表する画家の一人です。天心が日本美術院を北茨城市の五浦に移転した際にも、その理想を託され移住した画家でした。

大正期の花鳥画に焦点を当てた展示

今回の展覧会では、天心没後の大正期に画題の中心となった花鳥画の優品を紹介しています。特に注目は、大正9年に福岡で開催された日本美術院派新作品展覧会に出品された「花鳥十題」です。10作品から成るこのシリーズは長く所在不明でしたが、調査により「白菊」「雨中の柿」「立葵 夏の朝」の3点が発見され、初公開されています。

武山の独自技法と情感あふれる表現

「白菊」では、手前に主役の白菊を配し、奥に紅葉した楓やオミナエシをシルエットで描くことで画面に奥行きを生み出しています。白菊や楓の葉には、江戸時代の琳派に学んだたらし込みの技法が用いられ、古典を自らの技として取り入れていることが分かります。さらに、五浦時代に磨きをかけた没線描法により、秋の空気感を醸し出しています。

「雨中の柿」では、赤く染まった柿の葉が秋雨にぬれ、小鳥が雨宿りする様子が描かれています。柿の葉にはぼかしが効果的に用いられ、雨に煙る湿潤な空気感を演出。また、「立葵 夏の朝」ではピンクと白の立葵のコントラストが美しく、さわやかな夏の朝を感じさせ、蜂のアクセントが生命感を与えています。

今後の調査と展覧会の詳細

図譜によれば、今回発見された作品以外に「寒牡丹 雪後」「錦鶏鳥」など7点の出品記録が残っていますが、所在は不明のままです。10作品すべてが揃えば、その華やかさは多くの人を魅了することでしょう。今後の地道な調査が期待されます。

展覧会は2期制で、前期は3月22日まで、後期は24日から4月19日まで開催。すべての絵画作品が入れ替えとなるため、お目当ての作品がある方は、事前にホームページ等で確認して来館することをお勧めします。