芝野虎丸十段が初の棋聖位獲得「勝ちたい気持ち強まった」、序盤研究で中韓を意識
芝野虎丸十段が初棋聖獲得、中韓を意識した序盤研究実る

芝野虎丸十段が初の棋聖位獲得、激闘の七番勝負を制す

第50期棋聖戦七番勝負において、芝野虎丸十段が一力遼棋聖を4勝3敗で破り、初めての棋聖位獲得を果たしました。激しい戦いを終えた芝野十段は、3月26日の夕方に対局会場であるホテル花月園で記者会見に臨み、勝利への思いや今後の展望を語りました。

「自分でも許せないミス」を乗り越えて

芝野十段は、今年の自身の状態に自信を持てていなかったと明かし、結果については「いまだに信じられない気持ちです」と率直な心境を吐露しました。しかし、シリーズを通して自分の力を出せていたと感じており、結果がついてきたことを喜びました。

一力棋聖との番勝負では、これまで5回連続で敗れていた経緯があります。芝野十段は「自分の中で意識することはなかったですが、見てくれている人からすると、今回負けると『また一力か』という気持ちになるでしょうから、早めに勝てたらいいなという思いはありました」と語り、プレッシャーを感じつつも前向きに臨んだ姿勢を強調しました。

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第3局のミスが転機に

シリーズは激戦続きでしたが、特に第3局での大きな見損じによる敗北が大きな試練となりました。芝野十段は「その対局があって、自分の後半力に自信のない状態になってしまい、気持ちの面では苦しい時期が多かったです」と振り返りました。

過密日程もあり、休みがない状況でしたが、芝野十段は「あまり考えすぎることなく、対局が来たので、今回についてはそれがよかったかもしれません」と分析。第3局のミスについては「自分にしても許せないミスで、このミスを取り返すには、このシリーズで勝つしかないと思い、第4局以降は勝ちたい気持ちが強まりました」と語り、逆境をバネに変えた心境の変化を明かしました。

ターニングポイントとして、第3局の敗北後、苦しい状況から始まった第4局を勝てたことが大きかったと感じています。この勝利が自信につながり、その後の戦いに好影響を与えたと説明しました。

中韓を意識した序盤研究が実る

今回のシリーズでは、序盤でAI時代になって打たれない布石を試しているように見えました。芝野十段は「一時期から打ったことがない布石を試してみることが多くなりましたけど、今回の棋聖戦ではある程度、研究したことのあるものを打ってみました」と語り、普段から見かけない手を研究していたことを明かしました。

AI時代は評価値を追うあまり、布石のバリエーションが減っているように感じられる中、芝野十段は「中韓の選手はAIとの一致しか追わない方が多いので、それについていこうとすると今の自分の勉強の仕方だと布石では勝てません。自分が布石で勝つにはそれ以外の手を見つけていかないといけないというのが大きいですね」と語り、中韓選手を意識した独自の研究の重要性を強調しました。

国際棋戦での活躍に期待

国際棋戦での活躍について、芝野十段は「これまで国際棋戦の成績が一番良くてベスト4ということで、これまでかなり出場させていただいていますし、できれば優勝を目指していきたいです」と意欲を見せました。棋聖獲得で大きく変わることはないとしつつも、「上を目指してやっていきたいです」と前向きな姿勢を示しました。

世界で戦うことへの思いとしては、「国際戦で勝つことで囲碁界が盛り上がればという気持ちもありますが、それよりも自分が勝ちたいから、という思いが強いです。勝つことで他のものもついてくると思います」と語り、勝利への強い欲求を表明しました。

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世界トップの韓国棋士である申眞諝九段との力関係については、「正直、比べると差が少ないとはいえないのですが、勝つ可能性は十分あると思うので、ひるまずに勉強を続けていきたいです」と語り、謙虚ながらも挑戦する姿勢を強調しました。

芝野虎丸十段の初棋聖位獲得は、苦しいミスを乗り越え、中韓を意識した研究が実を結んだ結果と言えるでしょう。今後の国際棋戦での活躍が大いに期待されます。