ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は11日(日本時間12日)、メキシコ市で開幕戦が行われ、1次リーグA組の開催国メキシコ(世界ランキング14位)が南アフリカ(同60位)を2-0で下した。11日は同組の韓国(同25位)―チェコ(同40位)戦も行われ、12日にはB組のカナダ(同30位)、D組の米国(同17位)が初戦を迎える(世界ランキングは6月11日時点)。
メキシコは序盤から鋭い出足で好機を作り、前半にキニョーネスのシュートで先制。後半にR・ヒメネスが頭で決めて突き放した。南アフリカは後半に2人が退場するなどして反撃できず、無得点に終わった。
アギーレ監督「野心と夢に限界はない」
8万人超が詰めかけた「アステカ競技場」で、地元メキシコが凱歌をあげた。前回大会は1次リーグで敗退し、復権をかけるホスト国が存分に持ち味を発揮した。
開始早々の10分頃、南アフリカのGKウィリアムズが前方の味方にパスを出した瞬間、メキシコのリラが猛ダッシュで間合いを詰めた。相手がトラップする方向に鋭く反応して体をぶつけ、こぼれ球を拾ったキニョーネスが強烈なシュートをたたき込んだ。後半にはエースのR・ヒメネスが頭で2点目を挙げて勝負あり。大会第1号ゴールのキニョーネスは「素晴らしいスタジアムで、最高のファンの前で決められて興奮している」と破顔した。
選手として1986年メキシコ大会に出場した元日本代表監督のアギーレ氏のもと、持ち味を存分に発揮した。派手さはないが、正確な技術と規律、そしてあふれ出す闘争心を前面に出し、球際で圧倒。リードした後は緩急をつけた試合巧者ぶりで、相手2人を退場に追い込んだ。身体能力に頼らないスタイルは日本が目指してきた形でもある。
古代帝国の名を冠した会場は、70年にブラジル3度目の優勝を飾ったペレが「王様」に君臨し、86年には「5人抜き」、「神の手」でアルゼンチンを頂点に導いたマラドーナが「神の子」になった場所。アギーレ監督は「もっといいプレーができる。野心と夢に限界はない」と満足そう。世界でも特別なサッカーの聖地で、メキシコが力強く一歩を踏み出した。



