香川県は、8月に投開票される知事選挙で電子投票を実施するための関連条例案を、6月の県議会に提出する方針を固めた。都道府県レベルの知事選を対象とした電子投票条例は、2004年に制定された岡山県の例に続き全国で2例目となる。しかし、岡山県の条例は2005年に廃止されているため、現存するものとしては全国で唯一のケースとなる。
電子投票実施には市町村条例も必要
電子投票に関する特例法では、都道府県の知事や議員選挙で電子投票を実施する場合、該当する市町村もそれぞれ電子投票条例を制定する必要がある。香川県内で現在、電子投票条例を持つのは善通寺市のみであり、8月の知事選では同市のみで電子投票が行われる見通しだ。
善通寺市は今年3月の市議会で条例を可決し、5月1日に施行した。今年度の当初予算には、8月の知事選を想定した機器レンタル費など約1250万円が計上されている。
電子投票の歴史と「可児ショック」
総務省によると、電子投票は2002年に岡山県新見市で全国初めて実施された。2004年には岡山県が知事選での電子投票を可能とする県条例を制定し、同年の知事選で新見市において電子投票が行われた。
しかし、2003年に岐阜県可児市議会議員選挙で投票機器のトラブルが発生し、一時投票ができなくなる問題が起きた。この問題は2005年に最高裁で選挙無効が確定する「可児ショック」へと発展し、電子投票導入の動きは停滞。岡山県の条例も2005年5月に廃止された。
タブレット端末の活用で再び前進
転機となったのは、2020年に総務省がタブレット端末を活用した電子投票システムの使用を認めたことだ。それまで専用機に限られていた投票機器について、一定の基準を満たせばタブレット端末でも利用できるよう制度が見直された。これにより導入のハードルが下がり、各地で再検討の動きが広がった。
2024年の大阪府四條畷市長選・市議補選では電子投票が実施され、目立ったトラブルはなかった。さらに2026年3月には宮崎県新富町の町議補選でも導入されるなど、投開票作業を担う職員の負担軽減などを目的に、電子投票導入の機運は高まりつつある。



