ミラノ・コルティナパラリンピック開会式でロシア・ベラルーシ行進、ウクライナ選手「受け入れがたい」と批判
パラリンピック開会式でロシア・ベラルーシ行進、ウクライナ批判

ミラノ・コルティナパラリンピック開会式でロシアとベラルーシが行進、ウクライナ選手が強く反発

世界情勢が混迷を深める中、イタリア・ベローナの円形闘技場で6日夜(日本時間7日未明)に開催されたミラノ・コルティナパラリンピックの開会式。ロシアとベラルーシの大会参加に反発したウクライナなど複数国がボイコットする異例の状況で幕を開けた。さらに直前にはイランの大会不参加が発表され、「平和の祭典」には戦禍の影が色濃く落ちる形となった。

ロシアとベラルーシ選手団が笑顔で行進、パラリンピックでの国旗掲揚はソチ以来

開会式の入場行進では、「ロシアン・フェデレーション」のアナウンスが会場に響き渡った。赤色のウェアをまとった選手ら4人が手を振りながら会場を練り歩く姿が映し出された。パラリンピックでロシア国旗がはためくのは、2014年ソチ大会以来のことである。同様に参加を認められたベラルーシも、水色のウェアを着用した車いすの選手が笑顔で行進し、両国の選手団は平和的な雰囲気を醸し出していた。

ウクライナ選手「受け入れがたい」、戦争の現実を訴える

一方、ウクライナの選手らからは厳しい批判の声が上がっている。スノーボードに出場するウクライナのブラディスラブ・ヒルチェンコ選手は6日、「ロシアやベラルーシの国旗は戦争や占領を連想させるものであり、受け入れがたい。戦争は続いており、ロシアは我々の街を爆撃している」と憤りをあらわにした。この発言は、スポーツの場に政治的な対立が持ち込まれた現実を浮き彫りにしている。

ウクライナへの連帯を示したラトビアのポリーナ・ロジコバ選手(車いすカーリング)も、「ロシアの攻撃で電気や暖房が止まり、アスリートは練習をする場がなくて困っている」と語り、ウクライナ選手の困難な境遇に深い同情を示した。国際パラリンピック委員会(IPC)によれば、ウクライナに加え、ポーランド、チェコ、エストニア、フィンランド、リトアニアもボイコットを決断している。

開会式での異例の対応と国際社会の分断

開会式では、ウクライナ選手の代わりに大会ボランティアが同国国旗を持って行進する場面も見られた。観客席からは大きな歓声が沸き起こり、ウクライナへの支援の意思が示される一方で、国際社会の分断がスポーツの祭典にまで及んでいる実態が明らかになった。

ロシアによるウクライナ侵略が始まったのは、前回の北京パラリンピック大会の直前だった。そして今大会の直前には、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、国連の「休戦決議」が再び破られる事態が発生している。大会には米国とイスラエルも参加しており、複雑な国際情勢がパラリンピックに影を落としている。

組織委員会とIPC会長が平和と連帯を強調

こうした状況の中、大会組織委員会のジョバンニ・マラゴ会長はスピーチで「深く分断された世界で、平和と連帯のメッセージがこれほど重要だったことはない」と強調した。IPCのアンドルー・パーソンズ会長も「選手たちは、違いが分断の理由ではなく力の源泉だと示してくれる。小さな行為が歴史を変えてきたのがパラリンピックだ」と述べ、スポーツを通じた結束の重要性を訴えた。

ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックは、戦争と平和の狭間で開催される歴史的な大会として、その行方が注目されている。選手たちの競技が、国際社会にどのようなメッセージを発信するか、世界中の視線が集まっている。