坂本花織、大技のない戦い方で銀メダルを獲得
ミラノ・コルティナオリンピックのフィギュアスケート女子競技で、坂本花織選手(25)が銀メダルを獲得した。19日(日本時間20日早朝)に行われたフリー演技では、連続ジャンプのミスがあったものの、圧倒的なスピードと高い完成度で観客を魅了し、2大会連続となる表彰台を手にした。
大技への挑戦と挫折、そして新たな戦略
坂本選手は、2018年平昌五輪で初出場ながら6位に入った後、海外選手がトリプルアクセルや4回転ジャンプなどの大技を次々と成功させる姿に衝撃を受けた。自身も習得を目指したが、うまく跳べず、苦悩した時期があった。しかし、振付師のブノワ・リショーさんから「跳べないなら跳べないなりにやり方はある」と言われ、完成度の高さとスピード感あふれる演技に磨きをかけていった。
自信の確立と国際舞台での活躍
2022年北京五輪では、会心の演技で銅メダルを獲得。さらに、フィギュア大国のロシア勢が国際大会から姿を消す中、2022年3月の世界選手権を初制覇し、翌2023年には連覇を達成した。それでも、「大技をやる人の失敗を待つしかない」という気持ちが拭えず、インターネット上での心ない投稿に落ち込むこともあった。しかし、2023~2024年シーズンにグランプリファイナルを制し、世界選手権3連覇を果たしたことで、自信を深めていった。
明るい性格の裏側にあるプレッシャー
関係者から「明るく天真らんまんな性格」と評される坂本選手だが、大会が近づくと幼なじみの籠谷歩未さん(25)に「優勝しなきゃいけないなあ」と不安を打ち明ける一面もあった。籠谷さんは「下から追われ続けるプレッシャーは計り知れない。ずっとそれと戦ってきたかおちゃんは本当にすごい」と語り、坂本選手の努力を称えた。
現役引退を前にした五輪の舞台
今シーズン限りでの現役引退を表明し、臨んだ五輪の舞台。フリー演技後には涙を流したが、表彰式では銀メダルを首から下げ、いつもの笑顔を見せた。坂本選手は「銀メダルで悔しいと思えるくらい成長したのかな。自分のやり方を貫き通してよかった」とコメント。大技に頼らない独自のスタイルが、多くのファンの記憶に刻まれる結果となった。



