三浦璃来・木原龍一ペアが金メダル!9歳差の絆と魔法の演技で日本初の快挙
2026年ミラノ・コルティナオリンピックにおいて、フィギュアスケートのペア競技で歴史的な瞬間が訪れた。三浦璃来選手(24)と木原龍一選手(33)の「りくりゅう」ペアが、日本勢として初めて金メダルを獲得し、スケート史に輝く金字塔を打ち立てたのである。結成から7年目、相性抜群のコンビが世界の頂点に上り詰めるまでの軌跡は、感動と驚きに満ちている。
運命的な出会いから始まった黄金ペア
全ては2019年夏、愛知県内のアイスリンクでの運命的な出会いから始まった。当時、それぞれ次のパートナーを探していた二人に、世界的指導者ブルーノ・マルコット氏が「2人を組ませてみたい」と打診。滑り始めてすぐ、声をかけずともスピード感が合い、木原選手が三浦選手を投げ上げると、驚異的な高さと滞空時間で技が決まった。木原選手は、これまでのパートナーとの違いに雷に打たれたような衝撃を受けたという。
マルコット氏は興奮を隠さず「君たちなら世界で戦える」と確信し、元五輪選手の本田武史氏(44)も「ものすごい高さだった。ブルーノはすぐに『この組で決定だ』と言っていた」と振り返る。こうして結成されたペアは、マルコット氏の拠点であるカナダに渡り、本格的なトレーニングを開始した。
逆境を乗り越え、歴史を刻む歩み
2022年北京五輪では初出場ながら日本勢過去最高の7位に入り、団体戦では銀メダルに貢献。翌2022-2023年シーズンには、グランプリファイナル、四大陸選手権、世界選手権で日本史上初の優勝を果たし、「年間グランドスラム」を達成するなど、二人の歩みはそのまま日本ペアの歴史となった。
しかし、ミラノ・コルティナ五輪に向けて全てが順調だったわけではない。2023-2024年シーズン以降、木原選手の腰椎分離症や三浦選手の肩の脱臼などの故障が相次ぎ、欠場した大会も多かった。それでも木原選手は「お互いを支え合う経験をして、それも大きな成長になった」と語り、逆境を力に変えていった。
9歳差の絆と「りくりゅう流」のチームワーク
二人には9歳の年齢差があるが、敬語は使わず「龍一くん」「璃来ちゃん」と呼び合い、試合前には「マリオカート」や「桃太郎電鉄」などのゲームで対戦して気分を盛り上げる「りくりゅう流」を貫く。あるインタビューでは、木原選手が「璃来ちゃんが勝てるように調節してたよ」と冗談を言えば、三浦選手が「負け惜しみだ!」と返すなど、漫才のような掛け合いが二人の深い絆を物語っていた。
大逆転の金メダルと魔法のような演技
今大会のショートプログラムではミスが出て5位に沈み、木原選手は朝まで涙が止まらなかった。しかし、三浦選手が「まだ終わってない。積み重ねてきたものがあるから絶対できる」と励まし、気持ちを切り替えて臨んだフリーでは完璧な演技を披露。フリー世界歴代最高得点となる158.13点をマークし、合計231.24点で大逆転の金メダルを決めた。
演技を終えた二人はリンク上で抱き合い、木原選手が泣く中、三浦選手がその頭を優しくなでる姿に会場はスタンディングオベーションで包まれた。マルコット氏は「彼らは心を込めて滑った。本当につながりが感じられて、魔法のようだった」と絶賛した。
表彰台の真ん中に立った木原選手は「璃来ちゃんとじゃなければ成し遂げられなかった」と感謝し、三浦選手も「自分で言うのも何ですけど、最高のチームだなと思います」と笑顔で語った。9歳の年齢差を超えた信頼と努力が、日本に初の金メダルをもたらした瞬間であった。