捺星ちゃんの遺骨発見海岸に家族が初訪問 震災後初の3月11日を共に
東日本大震災で津波の犠牲となり、長年行方不明となっていた岩手県山田町の山根捺星ちゃん(当時6歳)の家族が、遺骨が発見された宮城県内の海岸を、引き渡し後初めて訪れました。この日は震災後、家族4人で過ごす初めての3月11日となり、特別な意味を持つ訪問となりました。
海岸清掃中に発見された遺骨
捺星ちゃんは2011年の東日本大震災による津波で行方がわからなくなっていましたが、2023年に気仙沼市と南三陸町で行われた海岸清掃活動中に遺骨が発見されました。その後、慎重な身元特定作業を経て、昨年10月にようやく家族の元に返還されていました。
穏やかな陽光の下での訪問
11日午前、宮城県気仙沼市の海岸では、穏やかな陽光が砂浜を照らしていました。捺星ちゃんの母・千弓さん(49)が骨つぼをしっかりと抱え、父・朋紀さん(52)と兄・大弥さん(26)が寄り添いながら、静かに砂浜を歩く姿がありました。
3人は海岸に骨つぼをそっと置き、持参した花を手向けました。そして、深い静寂の中、揃って手を合わせ、捺星ちゃんへの思いを静かに捧げました。震災から15年が経過したこの日、家族にとっては特別な意味を持つ3月11日となりました。
家族の思い
朋紀さんは訪問後の心境を「ここへ来るまでの道中、捺星と一緒にドライブしているような気持ちでした。家族にとって絶対に忘れられない一日になりました」と語りました。長い時間を経て、ようやく捺星ちゃんと「一緒に」過ごせる時間を得たことへの感慨がにじんでいます。
千弓さんは「捺星もきっと喜んでいると思います。この浜辺まで運んできてくれた海に、心から感謝したい気持ちでいっぱいです」と述べました。遺骨が発見された海岸そのものへの感謝の念も示しています。
捺星ちゃんの遺骨発見と家族への返還は、東日本大震災から15年が経過した今も続く、行方不明者の捜索と身元特定の重要性を改めて示す事例となりました。家族にとっては長い旅路の一つの区切りであり、新たな思い出を作る出発点ともなった訪問でした。



