育児休業後の降格措置に違法性、津地裁が会社に賠償を命じる
育児休業を取得した後に店長から副店長へ降格され、手当が打ち切られたのは不当だとして、三重県亀山市の会社員男性(33歳)が元勤務先の携帯電話ショップ運営会社を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、津地裁(小川貴寛裁判官)は3月27日、慰謝料などを含む合計152万7500円の支払いを会社に命じる判決を言い渡しました。
判決の詳細と経緯
判決によりますと、男性は2023年6月に店長として勤務していた際、育児休業を取得しました。その後、2024年5月に職場復帰した際、降格されて副店長としての配置となりました。復帰後、店長職は複数回にわたり交代したものの、男性は副店長の地位に留め置かれたままだったとされています。
さらに、店長職に付随する基本給との差額として支給されていた月額2万2500円の手当についても、復帰後しばらくして打ち切られる事態が発生しました。この一連の措置が訴訟の焦点となりました。
裁判所の判断と違法性の指摘
小川裁判官は判決文の中で、「育児休業後の就業が円滑に行われるよう、雇用管理上必要な措置を講じていたとは認められない」と明確に述べ、会社側の対応に違法性があると判断しました。この指摘は、育児休業制度の趣旨に反する不当な扱いがあったことを示すもので、労働者の権利保護の観点から重要な判例となり得ます。
判決後、原告の男性は記者会見を開き、「自分の主張が裁判所に認められて、ほっとしています。今後、育児休業を取得する人たちが同じような被害に遭わないことを願っています」と心境を語りました。この発言は、育児と仕事の両立を目指す多くの労働者にとって、希望となるメッセージとして受け止められています。
社会的背景と今後の影響
この判決は、以下のような社会的背景を反映しています:
- 育児休業制度の普及と、その取得後の職場復帰における課題が顕在化していること。
- 企業側が雇用管理を適切に行わない場合、法律違反として賠償責任を問われるリスクがあること。
- 労働者の権利意識が高まり、不当な扱いに対して訴訟を通じて救済を求めるケースが増加していること。
今回の判決は、企業に対して育児休業取得者への適切な対応を促すとともに、同様の状況に置かれた他の労働者にも勇気を与えるものと期待されます。今後、類似の事例において、この判決が参考にされる可能性が高いでしょう。



