「タイミー」提訴、直前キャンセルは違法と主張 労働者9人が約312万円請求
タイミー提訴、直前キャンセルは違法と労働者9人が主張

「タイミー」提訴、直前キャンセルは違法と主張 労働者9人が約312万円請求

短時間・単発アルバイトの「スポットワーク」を紹介するアプリ「タイミー」(本社・東京)を利用する1都4県の労働者9人が、2026年4月21日、東京地方裁判所に訴訟を提起した。雇用主から勤務直前に一方的にキャンセルされた行為は違法であると主張し、未払い賃金などを含む約312万円の支払いをタイミーに求めている。

プラットフォーマー責任を問う初の訴訟

提訴後に東京都内で記者会見した原告代理人の牧野裕貴弁護士によると、単発アルバイトにおける直前キャンセルを巡り、プラットフォーマー(仲介事業者)に責任を問う訴訟は今回が初めてのケースとなる。牧野弁護士は、この訴訟がスポットワーク市場における労働者の権利保護の重要な転換点になり得ると指摘した。

原告の一人である60代男性は、記者会見で次のように心境を語った。「キャンセルされるたびにがくぜんとします。泣き寝入りしている人はたくさんおり、少しでも私たちの気持ちを分かってほしい」と訴え、不安定な雇用環境に苦しむ多くの労働者の実態を浮き彫りにした。

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労働契約法に基づく違法性の主張

訴状では、労働契約法の規定を根拠に、労働契約は労働者が雇用主に使用されて労働し、これに対して賃金を支払うことに双方が合意した時点で成立すると解釈。具体的には、「マッチングが成立した時点」で契約が成立し、それ以降のキャンセルは違法な解雇に相当すると主張している。

今回の訴訟で問題とされているキャンセル件数は、原告9人で合計135件に上る。この数字は、スポットワーク市場における雇用主の一方的な対応が頻発している実態を示しており、労働者の経済的損失と精神的負担が深刻であることを裏付けている。

タイミー側の対応と今後の展開

タイミー側は、訴訟について「訴状が届いておらず、事実関係の確認がとれないため回答を差し控える」とコメントしている。同社は、アプリを通じたマッチングサービスを提供するプラットフォーマーとして、労働者と雇用主の間で生じるトラブルに対する責任の所在が焦点となる。

この訴訟は、以下の点で社会的な注目を集めている。

  • デジタルプラットフォームを利用したスポットワークの増加に伴う労働問題の顕在化
  • 労働契約法の解釈を巡る新たな法的議論の開始
  • ギグエコノミー(単発仕事経済)における労働者保護の在り方への影響

裁判の行方は、類似サービスを提供する他の企業にも波及効果を持つ可能性があり、業界全体の自主規制や法整備の動きを加速させる契機となることが期待されている。労働者側は、公正な労働環境の実現を求めて訴訟を戦う構えだ。

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