月230時間超の過酷労働で脳出血発症、沖縄JA職員が労災認定
沖縄県農業協同組合(JAおきなわ)の男性職員(38)が、月230時間を超える時間外労働と休日なしの過酷な勤務環境により脳出血を発症し、労災認定を受けたことが明らかになった。男性と代理人弁護士が2月27日、那覇市内で記者会見を行い、詳細を公表した。
新人職員と2人体制でマンゴー選果場を担当
代理人弁護士によると、男性は昨年6月からマンゴー選果場の現場責任者を務め、新人職員と実質2人だけで業務に従事していた。同7月19日、自宅で倒れているところを妻に発見され、緊急搬送された。発症する直前の1か月間の時間外労働は約230時間に上り、休日はまったく取れなかったという。
男性は現在、左半身のまひと高次脳機能障害のリハビリを継続中で、記者会見では「上司に何度も苦境を訴えたが、改善されなかった」と語った。過酷な労働環境が長期間続き、健康被害に至った経緯を明らかにした。
那覇労働基準監督署が労災認定
那覇労働基準監督署は1月9日付で、男性の脳出血を労災と認定した。月200時間を超える時間外労働が健康被害の直接的な原因と判断された。この認定は、過労死・過労自殺防止対策推進法に基づくもので、企業側の安全配慮義務違反が認められた形だ。
JAおきなわは「労務管理体制の検証を行って改善を進める」とのコメントを発表した。組織として労働環境の見直しに取り組む姿勢を示しているが、具体的な改善策については今後の動向が注目される。
過労問題の深刻さを浮き彫りに
この事例は、農業分野における過酷な労働実態を改めて浮き彫りにした。マンゴー選果場という特定の業務環境において、人員不足と過重な業務負担が重なり、従業員の健康を損なう事態に至った。
労働基準法では、時間外労働の上限規制が設けられているが、実際にはこうした基準を大幅に超える労働が行われているケースが少なくない。企業側の適切な労務管理と従業員の健康確保が改めて問われる事案となっている。
男性の回復と今後の生活再建が願われるとともに、同様の労働環境改善が広く進むことが期待される。過労による健康被害は個人の人生を大きく変えるだけでなく、家族や周囲にも深刻な影響を与えるため、予防的な対策が急務だ。



