九州農政局職員の自殺、遺族が国に1億3900万円の賠償を求めて提訴
農林水産省九州農政局の女性職員(20歳代)が2023年に自殺した問題で、遺族が国に約1億3900万円の賠償を求める訴訟を福岡地方裁判所に提起した。訴状によると、自殺の原因は上司からのセクハラやパワハラであり、国が適切なハラスメント対策を怠ったためだと主張している。2026年2月24日、同地裁で第1回口頭弁論が開かれ、国側は請求の棄却を求めた。
セクハラとパワハラの詳細な経緯
女性職員は2018年4月に入庁し、上司の男性係長から同年5月から8月頃にかけて、懇親会で胸を触られるなどのセクハラを受けた。その後、女性が係長を避けるようになると、懇親会から二次会に向かう途中で「帰れ」とどなられるパワハラが発生した。これらの行為は、女性の精神状態に深刻な影響を与え、精神疾患を患って休職に至った。
2022年12月に退職した後も、女性は中年男性に対して恐怖を感じるようになり、パート勤務も困難となった。2023年8月には、「働きたかった。男の人が怖くなった」などの内容の遺書を残して自殺した。遺族側は、これらのハラスメントが自殺の直接的な原因であると訴えている。
国と九州農政局の対応と今後の展開
九州農政局は2022年9月、係長の行為をセクハラやパワハラに当たると認定し、停職9か月の懲戒処分を下した。係長は内部調査で事実関係を認めている。さらに、国は2025年4月にハラスメントと自殺との因果関係を認め、公務災害として認定した。しかし、訴訟については、九州農政局は「お答えできない」とコメントを控えている。
今回の訴訟は、職場でのハラスメント対策の不備が重大な結果を招いた事例として注目を集めており、今後の裁判の行方が注目される。遺族側は、国の責任を明確にし、再発防止を求める姿勢を示している。



