前橋テルサ再生へ市民の力結集 シンポジウムで活用策を熱く議論
2023年3月に閉館した前橋市所有の複合施設「前橋テルサ」(千代田町)の活用をテーマにしたシンポジウムが2日夜、同市の前橋プラザ元気21で開催された。地元の前橋中心商店街協同組合が主催したこのイベントには、市民ら約120人が参加し、施設の再生に向けた熱心な議論が交わされた。
建築再生の意義を専門家が解説
シンポジウムではまず、再生建築研究所(東京)の神本豊秋代表による講演が行われた。神本氏は自社が手がけた東京・渋谷のビル再生事例を紹介しながら、既存建築物を再生させることの社会的・経済的意義について詳細に説明。単なる建物の改修ではなく、地域の歴史と記憶を継承しつつ新たな価値を創造する重要性を強調した。
地元関係者らが活発な意見交換
続くパネルディスカッションでは、前橋中心商店街協同組合の大橋慶人副理事長、箏曲家の鈴木創(はじめ)氏、商店街で玩具店を営む黒田桂子氏が登壇。黒田氏は、前橋テルサが地域のにぎわいづくりに不可欠な存在であったことを振り返りながら、「多くの方々の知恵と力を結集して、この施設の再生を前進させたい」と強く訴えた。参加者からは、文化施設としての活用や多世代交流の場としての可能性など、具体的なアイデアが数多く提案された。
3度目の公募審査が目前に迫る
前橋テルサを巡っては、今月上旬に事業提案型公募の2次審査が実施される予定だ。過去2回の公募はいずれも不調に終わっており、今回が3度目の挑戦となる。市側は、提案が採択されなかった場合には建物の解体も検討せざるを得ないとの見解を示している。
これを受け、前橋中心商店街協同組合は2月24日、審査過程の透明性確保などを求める要望書を市と市議会に提出。市は2日、審査は公平・公正に行われ、非公開で実施すると組合に回答した。審査結果は今月中旬に公表される見込みとなっている。
シンポジウムに参加した市民の一人は、「テルサは単なる建物ではなく、前橋の思い出が詰まった場所。何とか再生の道を探りたい」と語り、地域全体で施設の未来を考える機会の重要性を指摘した。閉館から1年が経過する中、地元の熱い期待が集まる前橋テルサの行方に注目が集まっている。



