家政婦の過労死訴訟、遺族と会社が和解 労基法適用議論続く
家政婦過労死訴訟、遺族と会社が和解 労基法適用議論続く

連載「働くってなんですか」では、過労死した家政婦の労災認定の是非を深掘りする。遺族と会社側は和解したが、立法議論は道半ばだ。

事件の概要と和解の成立

家政婦と介護ヘルパーを兼ねて住み込みで働いていた60代の女性が、2015年に7日間連続で勤務した後、倒れて急死した。労働基準法は家政婦などの「家事使用人」に適用されておらず、遺族による労災申請は認められなかった。そのため、遺族は国の労災不認定処分の取り消しを求めて提訴。一審では敗訴したが、東京高裁は家事と介護を一体とみなし、労働時間を合算すれば過重業務だったと認め、逆転勝訴した。

高裁判決を受けて、遺族は損害賠償などを求めて会社と協議し、2026年2月23日付で和解が成立した。女性の紹介元会社を吸収合併した「ファインケア」が過労死を認めて謝罪し、示談金を支払う内容。会社側はホームページで「過労死であることを認め、ご遺族におわび申し上げる」とコメントした。

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遺族と弁護士の訴え

女性の夫(79)は4月8日に記者会見を開き、「和解の内容は当然のことでしかない。国は当たり前のことを当たり前にやってほしい」と、労基法を家政婦に適用するよう訴えた。原告代理人の指宿昭一弁護士は、「この事件は示談で解決したが、問題はなくなっていない。家事労働者の状況は変わらず、立法議論も道半ばだ」と述べた。

労基法適用に向けた課題

厚生労働省は労基法の適用を検討しているが、技術的な課題が多く、議論は深まっていない。家政婦の労働実態は多様で、雇用関係の明確化や労働時間の算定方法など、解決すべき点は多い。この事件は、家事労働者の保護の必要性を改めて浮き彫りにした。

連載では、今後も働き方に関する問題を掘り下げていく。関連して、アマゾン配達員のAI管理や、一人親方の労災問題なども取り上げている。

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